「かもめ食堂」
久々の映画レビュー。
別に映画を見なくなったわけではなくて、
テレビではそれなりに映画は観てました。
でもレビューする気にならなかった。
現実とかけ離れていればいるほど、リアリズムから離れられず、
現実的であればあるほど、世捨て人になりたくなる。
なんか複雑な気分だった。
そんな中、この映画はよかった。
映画「めがね」の公開に先立って宣伝的なところでのテレビ放送なのでしょう。
淡々と日常的でありつつ、舞台は遠く離れたフィンランド。
そんなに大きな盛り上がりはないけれど、
日常と非日常が混在していて、
僕らの住む世界はそんなものなんだ、って妙な説得力があった。
小林聡美演じるサチエがフィンランドの首都、ヘルシンキに
「かもめ食堂」なる食堂をオープン。
偶然知り合った日本人のミドリ(片桐はいり)とマサコ(もたいまさこ)と、
かもめ食堂に集まるフィンランドの人たちとの日々がのんびり、ほんわか、
淡々と語られてゆく。
劇的なシーンはないけれど、ああ、人生ってこんな風に生きるのがいいね、
って思わせてくれる。
人生「やりたいことをやる」のではなく、「やりたくないことをやらない」のがいい。
「やりたいこと」って言うと、じゃあやりたいことって何?って悩んじゃうけど、
やりたくないことはすぐ分かる。
フィンランドの自然が美しい。
フィンランドって遠いけど、日本との間にはロシアという国しかないんだね。
社会福祉が進んでいて、北欧デザインで有名。
その程度しかフィンランドに対する知識はないけれど、
この国に対して愛着が持てた。
大海があることを知った蛙はもはや井戸の中にはいられない。
たとえその井戸がどんなに広くても。
だから僕はいずれ大海へ出る。
大海がどんなところかを知ると同時に、
自分がいた井戸がどんなところか知るために。
そしていずれはまた井戸に戻るんだ。
いつの日か、
ジャパニーズ・ソウルフード「おにぎり」を片手に大海を旅しよう。
そして遠い異国で合気道の「膝行」をやるんだ...
「めがね」も観たくなりました。
旅行かばんには必要なものだけ詰め込んで。
なにが必要か分からなきゃ、要らないものをかばんから取り出せばいい。
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