CASSHERN

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グリーン・デスティニーと同じく値段が下がってたので買いました。
2,800円とこちらはそれほど安かったわけじゃないけど
前から気になってた作品でもあったし。

宇多田ヒカルの元旦那、紀里谷和明監督作品。
この作品以外では宇多田ヒカルのPVくらいしか聞かないので
映画監督としての手腕はイマイチ...なのかどうかはよく分かりませんが。
ただムラはありそう...とこの作品を見てそう思いました。
天才肌なのかな。

原作があるようなのですが観たことはないのでこの作品単独でのレビューになります。

映像は確かに美しい。
キャシャーンがその能力に覚醒し、ロボット群を破壊しまくるシーンは圧巻です。
憎しみだけではなにも解決しない、という強いメッセージ性も感じられる。
要所要所ではスゴクいいものを感じるのだけど、
全体としてはなんかバランスの欠如と流れの悪さを感じました。


戦争は憎しみから生まれる。
人はただ存在するだけで誰かを傷つけている。
許しあうことからはじめない限りこの世界から不実な争いはなくならない。

資本主義は競争原理により進化を遂げてきました。
それは紛れもない真実です。

しかしそれが「すべて」ではない。

人はみな違う。
本来人に順位などつけられるはずもない。
それでも競争原理の下で分かりやすく互いの位置を把握するために
人は限られた条件下の元で互いの順位付けをしようとした。
そしてその行為に慣れてしまうとそれが当たり前と思うようになった。

「あいつに負けたくない」
「あいつよりもいい思いがしたい」

人間が持つ「嫉妬」「羨望」という感情を巧みに利用して、
順位付けの概念はこの社会に長い時間をかけて浸透してきた。
競争原理は文明の飛躍的な進歩を助けた一方で、
戦争という悲惨な同じ人類同士の争いも生み出してきた。


競争のすべてが無意味とは言わないけど、
あくまで限られた条件下でのものであることを忘れてはならないと思う。
順位が人の優劣を決めるわけじゃない。
1位が2位よりも優れているわけじゃない。
あくまで限られた条件に同意したもの同士が
互いの位置を確認するために作った"閉じられた世界"に過ぎない。

例えばオリンピックのゴールドメダリストで世界一足が速い人がいます。
でも本当に世界一速い、と断言することはできないはず。
いかに世界中の国がオリンピックに賛同しているとはいえ、
文明とは程遠いジャングルやサバンナにオリンピックの存在を知らず、
そのゴールドメダリストよりも足の速い人間はいるかもしれない。

そのような可能性を考え出すと順位付け、
というものがいかに絶対性をもてないものか。

井の中の蛙、大海を知らず。
こんな人間にだけはなりたくない。
だから僕は昨日の自分に負けないことだけを考えたい。
明日の自分は今日の自分に勝つことだけを考えたい。

他は受け入れるだけ。
運も実力も。
それでみんなが幸せになれるなら、それでいいじゃないか。


嫉妬という感情に負けるな。
羨望という感情に負けるな