かたちのデザイン2【課題1プレゼン】

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g2_s2_1.jpg


セッション2「かたちとデザイン2」では2つの課題が出されているのですが、
前半の課題1のプレゼンが本日無事終わりました。

課題1は「保持するもの」の制作。
保持される物は各自で決定。
保持するものと保持されるもの、つまり「モノとモノとの関係性」を考えます。

評価のポイントは主にプロセスと制作物の仕上げ精度。

プロセスという面では自分的には満足のいくものだったけど、
仕上げ精度がいまいち納得いかなかったかな。


デザインという仕事は造形作業だけで成り立っているわけではありません。
そこにはエンジニアリングやディレクション、マーケティングなど
複雑な要素が絡んでくるのですが造形以外の要素は
デザイナーさん以外の人にタスクやジャッジを振ることができます。
しかし造形の最終的なジャッジはデザイナーしかできない部分。
本課題ではその造形のジャッジをできるようにするためのもの...らしいです。
先生によれば。


以下プレゼン内容を要約します。

shapedesign2_1a.jpg

shapedesign2_1b.jpg


保持するものはペットボトル。
コンセプトは「『保持』機能の視覚化、明確化」。

何かを保持するもの、つまりは容器などの類は
普段その保持機能について私たちが意識することはありません。

ではどういうときに「保持」を意識するか。
それは保持できるか微妙なバランス(もしくはそのように見える)の時、
あるいは先日紹介したワイン立てのように
保持するもの単体では自立しないけど、保持されるものを置いて全体として
自立する時などだと思うのです。

今回はそのようなアプローチからペットボトルを保持するものを制作してみました。

第1段階。
idea_to_sketch_work1.jpg

まずは面要素で三次元スケッチ。
形状はとくに深く考えず、先に述べた構造的な自立のバランスを考えながら試作。

ここでは検討素材としてボール紙を使用。


第二段階。
idea_to_sketch_work2.jpg

第1段階で作成したものを今度は線要素を使って制作。
ペットボトルを支えるのに必要な最低限の線が見えてきました。

ここでは検討素材として針金を使用。


第三段階。
idea_to_sketch_work3.jpg

第二段階から余分な線を除き、ペットボトルを支えるのに最低限必要なラインのみを抽出。
そして再び面要素を追加。

線要素で構造的には十分自立するため、面要素はあくまで視覚的な要素になります。
つまり実際的な保持機能は線要素で、保持機能の視覚的アピールを面要素で行います。


第四段階
idea_to_sketch_work4.jpg

形状が決まってきたので、実際の素材と構成を検討。
加工が簡単なアルミで半田レスで作ってみましたが、やはり構造的にもろくてNG。


最終作品。
idea_to_sketch_work5.jpg

...というわけで最終的には線、面ともにステンレスで半田付けすることにしました。

ちなみにペットボトルを置いた状態。
idea_to_sketch_work5_empty.jpg
[ペットボトルの中身が空のときは前に傾き...]

idea_to_sketch_work5_full.jpg
[ペットボトルの中身がいっぱいのときは後ろに傾く...のが理想なのですが]


安定度を出すために三本足を四本足にしたのですがこれが先生には不評でした。
構造を美しく表現するにはできるだけ構成要素を少なくして、それぞれの要素が
できるだけ少ない点に集中していること、
そして一つ一つの要素ができるだけ長い距離をとるような構成とすること、
がポイントとのこと。

最後の最後で考えすぎて蛇足的になってしまいましたが。
これまでのような考えたらずで終わってしまうよりは勉強になっていいかなと。

制作のプロセスについてはお褒めの言葉をいただきました。
自分的にはここを一番大事にしていたので満足です。


キャリアのない現段階では結局のところ、
作品の出来不出来はまだ運頼みなところがあります。
練りに練っても良い作品ができない場合もあるし、
ひょいと偶然良いものができるときもある。
またセンスや個性による個人差も確かにあると思いますが、
学生の時分ではドングリの背比べ程度の差しかないのかも。

大切なのは今後安定して良いものを作り続けるための「プロセス」。
そのプロセスを身につけることが重要なんだと思う。
正しいプロセスさえ身につければ後は繰り返しトライしてゆけば
そのうち必ず良いものが安定して作れるようになる...はず。

だからプロセス、プロセスと先生方は口を酸っぱくして言うのだと思う。


プロセスの重要性を再認識したほか、
今回は金属という僕にとっては未知の素材の加工法を勉強することが出来ました。

アルミは安くて加工しやすいけど、半田付けはできず、強度的に弱い。
真鍮、銅は加工もしやすくて半田付けもできるけど高価。
ステンレスはアルミと銅、真鍮の中間の特性...など。

久しぶりに半田付け作業をしました。
それまでは電子工作で使っていたけど、デザインで使うのははじめて。
自前のこてを持っていたけど面積の広い素材に半田付けするには出力が足らず
出力の高いものを新たに買いました。
あとステンレス専用の半田とフラックスというものがあるんですねえ。

素材と道具でここまで約六千円の出費。
意外と出費が多いのがツライ...


プレゼン終わって一息つく間もなく第二課題の出題。
第二課題はハンドツールの制作です。
第一課題がモノとモノとの関連性を考えるのに対し、
第二課題は人間(の手)とモノとの関連性を考えます。

さて、ハンドツールといっても無数にあるわけで。

キッチンツール、文房具、工具、スポーツ用品....

その中から自分はどの分野からアプローチするか。
案出しが大変だ~

とりあえず次週は粘土による三次元スケッチ。
粘土買いに行かなきゃ。
軽量樹脂粘土、っていうのが良いらしい。


...ってなわけで後半も頑張ります!