自分があることに取り組んでいるとき、
その成果に対してことさら悪い点を抽出して注意する人と、
良い点を抽出して評価する人がいる。
どちらも最終的な成果を良くするには効果的なのだけど、
継続していくためのモチベーションという観点から考えると、
自分には後者のほうがより効果的に作用する。
もちろん前提として、
自分が自分の悪い点をしっかり認識していれば、の話だけど。
自分で自分の欠点を意識しているとき、
それを他人から指摘されるのはけっこう凹むものだし、
逆に自分で自分の長所を意識しているとき、
それを他人から評価されたいと願うものだ。
どうやら自分は褒められて伸びるタイプのようだ。
これでも昔は体育会系だったんだけどな。
最近、週末はもっぱら自宅で卒業制作の作業。
亀の歩みで思うように進まないけど。
今を生きる現代人より、過去の人となった偉人たち、
いわゆるクラシカルを好む自分の風潮が、自分の作風にも現れているようだ。
自分ではとくに強く意識しているわけでは無いのだけれど、
自分の作品を友人や先生に見せると、「古風だね」といわれる。
最初はそれが欠点を指摘されているように感じていたのだけど、
どうやらそうでもないようだ。
最初は自分の作品がワンパターンで広がりがなく、
そこから抜け出せないことを悩んでいたけど、
考えようによっては、そのパターンにこそ自分の強い思いがあるといえる。
良く言えば、自分の作風は「レトロモダン」らしい。
確かにモダニズム、ロシアの構成主義、アヴァンギャルドは嫌いじゃないけれど。
とはいうものの、最終形として自分の満足のいく形になっていないのも確か。
今の時点でできることはやっぱり手を動かし続けることなんだろうな。
手を動かし続けて生まれてくる成果物の中から「良い」部分を探し続ける。
悪い部分は放っておいても見つけてしまうのだから。
故きを温めて新しきを知る。
悪いのは止まってしまうことだ。
悪い部分を捨て、良い部分だけを拾い集め続けよう。