進路について考える

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気がつけば1月も残すところあと1週間。

本来ならば学内展に向けて集中しなければいけない時期なのだけど。

...集中できない。

心身のバランスは実に複雑に絡んでいて、
精神が不安定だと、身体もそれにあわせて体調を崩してしまう。
そして身体が不調だと、精神も...というネガティブ・スパイラルに入る。


悩みの種は3年生が終了した時点での今後の進路。
いよいよ正念場、というところまできてしまった。

ひとえに自分の未熟さゆえのことなので、
誰かを責めたいわけでもなく。


今後、正しい選択をするために整理して記録します。

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何も問題がなければ3年次を終えたら当然4年次に進み、
卒業制作に取り組みたい。
そして就職できるかどうかはともかくきちんと卒業したい。
これが一番の望み。

しかし今のままでは4年次の学費が払えない。
既に2年次の前半で前の会社の退職金は使い果たし、
2年次の後半から返還義務のある日本学生支援機構(旧・育英会)の
奨学金を利用しているものの、それでも足りなくなってきた。

本来は昼間のバイトでこの不足分を補うつもりだった。
学業に集中してしまい、仕事探しがやや散漫になったのも否めないけど、
それにしても折からの不景気の影響がスゴイ。

分野を問わず20口ほどバイトを探したけれど悉く相手にされず。
簡単なバイトは先を争って埋まってしまい、
テクニカルな仕事はキャリヤがないため採用してくれない。
見るに見かねた大学の先生がバイトの口をくれたのだけど、
それでも全然足りない。


僕の通う学科の学費は1年で約120万円、プラス入学金が30万円ほどなので、
トータルの学費はおよそ510万円ほど(参考書籍代、作品材料費等は含まず)。
1年次は社会人学生の減免特典で授業料2割引、
続いて成績優秀者に与えられる返還義務のない奨学金(50万円)を
2年次、3年次と2年連続でGET。
3年次では「S」成績を稼げる共通教育科目をほとんど履修していないので、
たぶん来年次ははじめて満額の授業料120万円を払わなくてはならないだろう。
まあそれでも1年分の学費120万円を割り引いてのトータル390万円は、
学費の節約としては頑張った方だと思う。


しかし足りないものは足りない。
ここでたとえすぐ割の良いバイトが見つかっても間に合わない。

さて、どうするか。

選択肢はいろいろあるけれど、まず思い浮かんだのが学費ローン。
どうやら「日本政策金融公庫(旧・国民金融公庫)」というものが、
育英会の奨学金と併用できるらしい。
これが実際受けられるかどうかは、今後問い合わせてみなければ分からない。

ただ、受けられなければジ・エンド。
大学は中退せざるを得ないかな。
その時は、東京にも20年近くいて十分堪能し、未練もないので、
実家の広島に帰るのも悪くないかな、と。
地方で仕事を探すのはもっと大変かもしれないが、
少なくとも住むところの心配はしばらくしなくても良い。

...親が許してくれれば、の話だけど。
親への説得、という問題はあるけれどこれも一つの選択。


さて、話は戻って仮に学費ローンが受けられるとする。

リスクを考えて授業料+30万円の150万円が借りられるとする。
育英会では月12万円を2年半、30ヶ月に渡り借りることになり、トータルで360万円。
学費ローンの150万円を合わせると510万円。
...結局学費のすべてを借りることになる。
卒業後は毎月2,3万円をおよそ20年にわたって返していくことになる。
一括返金すれば利子や保証金などの負担が軽減されるが、
それが出来れば最初から借りたりしないっつーの。


ここでも選択肢はいくつかある。
僕が今いる大学で最終ゴールを見出せたなら、道は1つで迷うこともないのだけど。

さんざんこのブログにも書いたけど、
今一番僕が学び、実践したいのは「建築」。

デザインを学び、芸術を学び、それは面白くて得るものは大いにあった。
建築はデザインや芸術の要素を内包することは間違いないけれど、
その2つだけで成り立っていないことも確か。
僕はデザインや芸術の専門家になりたいわけではないのだと思う。
建築家を目指したいのである。

複合的な要素であるがゆえに、この大学で建築を学び尽くすことはできない。
それは先生も認めた。
就職口も建築系よりはインテリアデザイン系に強い。
それも僕がこの大学に満足できない理由でもある。

もっとも、最初から建築をやろうと思ってこの大学に入ったのではなく、
最初はプロダクトデザイン(PD)をやるつもりだった。
それが学んでいく過程で建築に興味が向いたので、
この点で大学にケチをつける気は全くない。

建築の専門学校に行ってさらに学びたいと先生に相談したところ、


  「現場で働くこと以上に最適な学びの場はない。」


...とのお言葉。

確かにそれも一理ある。
ただ、確実に建築の仕事に就くことができれば、の話である。

さらに120万円借金して学費を払って、確実に建築系の仕事に就けるのなら、
迷わずこの大学に残って卒業する決心もつく。

しかし今の不況下では、頑張って五分五分というのが僕の予感。
...ある意味博打である。

さらに先輩方の卒業制作を一部だけれど見てきて、
残り1年の120万円をこれにかけるのか、という躊躇もある。
学生のやる気やセンスの問題も大きいのかもしれないけれど、
それにしても120万円で学校がサポートしてくれる内容に物足りなさを感じる。


そこで新たな選択。

3年次で中退、自主退学して、早稲田大学芸術学校建築設計科に行く。
ここの学費は3年間で180万円(2009年度要項)。
何とプラス30万するだけで3年分の学費が捻出できる。
もちろん受験で合格した上で、学費ローンが受けられる、
という条件をクリアする必要があるけれど。

さらに育英会の奨学金が多摩美を中退して学校を切り替えても
借りられるのか、という問題もある。

さらに中退で専門学校に行くので学士の資格が得られず、
そのままでは院に進むことが出来ない。
(今の時点で院で学びたい、という具体的な気持ちはないのだけど)

東京を離れても建築を学べるか、と「建築」「通信教育」で検索、
京都造形芸術大学建築デザインコース」 というものを発見。
こちらは4年制大学だけど学費がさらに安くなり、トータルでも134万円。
こちらだと学士の資格が得られる上に、1級建築士の取得資格が、
卒業後2年で得られる。
ちなみに早稲田大学芸術学校建築設計科は3年通い、
卒業後の必要実務経験が3年なので資格修得までの最短年数は実質同じ。

ちなみに多摩美にいるだけではそういう特典は一切得られず。
その場合は確か7年くらいの実務経験が必要だったはず。

今の時点で建築士の資格が自分に本当に必要かどうかは判らないけれど、
とれるものならとっておきたい、と素人心に思うわけで。


以上を要約してみると...


まず学費ローンが利用できるかどうかを確認。


学費ローンが利用できる場合

  選択肢1. 中退して早稲田大学芸術学校へ進学

  選択肢2. 多摩美をちゃんと卒業する


学費ローンが利用できない場合

  選択肢3. 中退して広島に帰郷。京都造形芸術大学へ進学


...という選択肢があるのかな。


まずは再度大学の先生や助手さん、同級生などに相談してみるか。

最後に決めるのは自分、ということは分かってますが、
ネットでもいろいろ助言いただけると助かります。


例によって「認識が甘い」とか、
「本当にやりたければブログでぐだぐだ言わず、行動しろ」とか、
「ブログで言ってしまって満足してないか?」といった指摘は不要です。

自分の甘さは痛いくらい自覚しているつもり。

ただ技術を学ぶだけなら、わざわざ大学に来るまでもない。
先生が言うように現場で経験を積むことが一番である。

しかし技術だけでは「魅力」は分からない。
どれだけ対象を好きになれるか。
大学はその「魅力」を探す場所だと思う。
その「魅力」を探すことが学びだと思う。

もちろんは「魅力」は大学の中だけにとどまらない。
社会のあらゆる場所にあるだろう。
しかし大学では「魅力」を探すきっかけを与えてくれる。
美大では「デザイン」や「アート」といった観点から様々な魅力を発見できたけれど、
それは自分の「魅力」ではなかった気がする。

だから今度はやはり建築の「魅力」を専門の学びの場で見つけたいのである。
僕はまだまだ建築を好きになりきれていない。
それが今の僕の甘さである。

「魅力」を専門の学びの場で見つけようとすること自体、
甘いのかもしれないけど、僕は大学という場所がやはり好きだ。
早稲田大学芸術学校は正確には専門学校だけれど、
早稲田大学のキャンパス内にある、ということが
ある種大学的な雰囲気を持っていると思う。


この歳になっても背負うべき家族が今のところいないのだから、
とりあえず自分の甘さに身をまかせてみるのも悪くない。