生物と芸術【テスト】

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共通教育科目のテストが終わりました。

今年は「生物と芸術」と「特講Ⅰ」の二科目。
例年年度末のテストは返却されないので点数は分からずじまい。

今年は記録しておこうと思います。


まずは「生物と芸術」。
テストという形態をとっていますが、あらかじめ問題が呈示され、
各自で資料を用意して持ち込み、テスト時間内にレポートを完成させる方式。

問題は、

「人体を表現した美術(彫刻、絵画、写真、パフォーマンス)を1つ挙げ、
そのムーヴマンやマッスと人体の骨格や筋肉との関連を見つけて述べよ」

...というもの。


[注意!]
このレポートはテスト対策に向けて公開するものではありません。
実際今時点で採点されていないので、この回答が良例か悪例かも分からない。
あくまで自分の備忘録として記録しておくものです。

こういうテストは決まりきった定型の回答スタイルというものはなく、
自分なりの考えがどれだけ出ているか、が問われる。
人の真似をすることに何の意味もありません。

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[作品名]プロセルピナの掠奪(ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ)

bernini2_report.jpg

冥界の王プルートが一目ぼれした女神の娘プロセルピナを連れ去ろうとする、
ギリシャ神話(ローマ神話)の一場面。

冥界の王プルート(以下「男」)から逃れようとするプロセルピナ(以下「女」)。
男は女を逃すまい、と女の身体を自分の方へ引きつけようとうするのに対し、
女は男から逃げようと、男の身体を押しのけようとする。
男の両腕には相手の身体を自分の方に引きつける力(腕を曲げる力)が作用し(図中①)、
女の左腕には相手の身体から自分を引き離そうとする力(腕を伸ばす力)が作用する(図中②)。
このとき両者の三角筋、上腕筋、前腕筋、大胸筋、広背筋などが作用するが、
男の方は屈筋が作用し、女の方は伸筋が作用し、
作用筋と拮抗筋の関係がお互いに反転する。

さらに女の手が男の左側頭部を押しているので、
それに抗うために男の左側の僧帽筋が緊張している(図中③)。
女は男に抱え上げられて中に浮いているため、下半身にはほとんど力が入らず、
主に上半身の筋肉が作用している。
上半身は男から離れようと後方へ反らそうという動きがあり、広背筋が緊張している(図中④)。
女の首は男から逃げるために左側へ背け、かつ左肩側へ傾けている(図中⑤)。
このとき、左側の僧帽筋が縮み、右側の僧帽筋が伸びている。

男は女を抱えているため、上半身で女を拘束しようとするのと同時に、
男の左側で女を抱えるため、そのぶん重心が身体の左側に移動し、
左足側に大きな荷重がかかり、左足前側の伸筋群が緊張している(図中⑥)。

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作品画像はA4、説明図はA5サイズで出力したのですが、
大きすぎて解説文を書くスペースが狭くなってあせった~