運動構成

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大学のデザイン専門課程の第2セッションは「運動構成」。


プロダクトデザインにしろ、映像デザインにしろ、
デザインされるものが動いていようが、静止していようが、
それを使うには人間です。
止まっている何かのためにデザインする訳じゃない。

その意味において動く生き物である人間の「動き」を知ることは
デザインをする上で非常に重要な意味を持つことなのです。


...というのがこのセッションの目的です。


まず最初の取り組みとして自分自身の動きとして、
「手」の動きについて5コマスケッチを行い、
そのスケッチを元に3Dソフトでその動きを表現するという課題に取り組みました。
ただ手の動きをそのまま表現するのではなく、球体で動きを抽象化して、
その動きが伝えたいものを表現することが求められました。

3Dソフトは「Strata Vision 3D」というMac OS9でしか動かないシロモノで
ファイル形式も独自のものなのでWeb上に作品をアップできないのが残念です。

作品を作った後、先生の講評を受けながら、自らの作品のプレゼンをし、
かつみんなの作品を鑑賞します。

そして手のスケッチおよび3Dソフトでの作品作りを通して
「動き」について思うことをまず自分の意見を書き出し、
その後グループセッションをして意見交換をします。
そうすることで「動き」に対する新しい発見を見出すのです。

以下に僕なりに発見したことを整理してみます。

【スケッチの段階】
・同じポーズを抽出するのは難しい。
 「手」は常に動くものであり、見る角度、光のあたり具合によっても
 同じポーズでも環境によって様々に変化する。
 → 止まっているように見えるものも常に変化している、ということ。

・スケッチの描き方としては、動作の始まりから終わりまでを、
 動作の順序通りに描くよりも、始めと終わりをまず描き、
 その中間を補完するように描いていく方が描きやすい。
 → 動きは前後の状態を知らなければ把握できない、ということ。

【3Dソフトを作り、第三者の作品を鑑賞して】
・動きの設定として「感情」の設定がされている作品の方が分かりやすい。
 「手を握る動き」など単なる「動き」を表現したものより、
 たとえば「うれしいときに手を握る」など動きの設定に感情を入れた作品は
 感覚的に分かりやすく、メッセージ性が強い。
 → 「動き」とは感情を伴うものであること。

・同じ動作でも人によってはその動きの捉え方、認識の仕方が異なる。
 → 「動き」は意識することにより見えてくるもの。

そして最終的に「あなたにとっての動きとは?」という問いに
僕が答えるとするならば、

 1.「意識」することにより見えてくるもの。
 2.「感情」の遷移が実体化したもの。
 3.「感情」というトリガーによりはじまるもの。
   (→ 2.に関連してくる)
 4.他との関連性があるもの。規則性のあるもの。
   複数の物体があって、それらが動いていたとしても、
   相互間に関連性、規則性がなければ「動き」として認知しにくい
   (→ 1.に関連してくる)
 5.「流れ」を作るもの。  (→ 2.に関連してくる)
 6.空間を包んだり、切り裂いたりするもの。


果たしてこれらが正解なのかどうか、的を射たものかどうか、
現時点ではまだ分かりません。
これからの課題でもっと突き詰めていきたいと思います。

次の課題は「魚の動き」。
明日水族館に行って魚の動きを観察し、記録してきます〜