インテリアデザイン【最終プレゼン】

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2学年になって最初のセッション、「インテリアデザイン」が無事本日終了しました。

スロースタータな僕は去年も年度最初のセッションはエンジンがかかりきらなかった。
頑張ったといえば頑張ったけど、冒険をせず、無難にまとめた。
...今回もそんな感じ。

インテリアデザインというセッション名にもかかわらず、
自由に外観デザインも決めてよい、というルールだったため、
インテリアデザインにそれほど興味がない僕は...独走した。

本来デザインはクライアントありきのもの。
クライアントがなにを望んでいるのか、それを常に気にしなければならない。
畑違いでも社会人を14年もやってればそんなことは百も承知。


しかしあえて僕は今回自分の表現したいことを優先した。
はたしてそれが良かったのか、悪かったのか。
今の僕にはよく分からない。

でも自分の意志でちゃんと決めたことだから、自分の選択には納得している。

ただ残念なのはそれを講師やクライアントに指摘されたときに、
はっきりと自分の意志をアピールできなかったこと。


ただ、それが悔しい。


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今回のセッションは、
とあるお寺の一部区画のユニークな活用法を提案してほしい、というもの。
クライアントはそのお寺のご住職一家。

実際に仕事として多摩美に依頼されている仕事だそうで、
学生の僕らがその仕事に直接関わるわけではないけれど、
実存するプロジェクトをシミュレーションできるという、またとない機会。
実際のデザインの現場を体験しながら学べるわけですから。

とはいってもやっぱり実際には僕らが責任を持って仕事を担当するわけではない。
だから密にクライアントとコンタクトがとれるわけではない。
実際クライアントとコミュニケーションがとれたのは2回程度。

現在お寺の対象のスペースには古い空き家が建っています。
ご住職はこの建物は基本的に取り壊さず、有効活用してほしい、との意向。
ただ、幅広いユニークなアイデアも募集したいとのことから、
取り壊して一から提案、というのもあり、という条件でした。

...そこで僕は後者を選択した。
中途半端にクライアントの意向を推測するのもいやだったし、
中途半端に現実に囚われるのも嫌だったから。


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このお寺は敷地内に住宅が建つ、という一風変わったお寺。
そのお寺独特の特徴が本来お寺が持っている神聖な雰囲気を薄めている...
と自分は思ったので、お寺の神聖性を高める施策を提案しました。

スペースの使い方についてのストーリーコンセプトが最重要する、との
セッションの方針により、経済事情や安全対策などについては、
今回は妥協しても良い...はずでした。


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高さ方向に未来・現在・過去という時制レベルを想定し、
GLを現在という基準に設定して浅い水場を配し、
地上の「未来」部分に空に向かってそびえる展望タワー、
地下の「過去」部分に現在を見上げる休憩室を配置。


地上部分([現在]と[未来])。
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CGで建物を描いた後、実際の敷地にコラージュ。


地下部分(過去)。
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最初僕の案を先生に見せたところ...

  「3億円くらいかかるね」

とのコメント。
どうやら一番金のかかる案だったみたいです。

で、プレゼン後の先生のコメント。


  「3億円かけて実現するほどの案なの?」


...沈黙してしまい、即答できなかった。


なぜ自信を持って「はい」と言えなかったのか。
今思えばそれが一番悔しかった。

クライアントの意向は確かに大事だ。
しかし空間デザインはそのスケール故に社会的評価も重要になってくる。

今回はその社会的通念を重要視して、意識してデザインしたのではなかったか。
自分の自信のなさが悔しかった。


今回のスキル面での一番の成果は3DCGソフト、Shadeの使い方を覚えたこと。
また一つ表現手段を獲得できました。

提案の成果は僕以外はおおかた模型をベースにしていましたが、
僕は3DCGをベースに全部データで制作しました。

触れるものを作りたいと望んでいたはずなのに、
結局できあがったデータはグラフィックデータのみ。
スペース系だとこうなっちゃうのかなあ...

スケール的には建築が性に合っている気もするけど、
なかなか「触れるもの」が作れないというジレンマ。

プロダクトかスペースか。
まだまだ迷いは続きます。


次はいよいよ専攻を決める前の最後のセッション。
そのセッションはプロダクト系。

しっかり悩んで、後悔しない、自信を持った選択ができるようにしたいと思います。