今日は特別講演会。めったに行かない講堂で。
パネリストはデザイン学科の4人の教授。
テーマは『「不都合な真実」をデザインする』。
サブタイトルが「クライアントは地球」。
最初にこの大学を訪れたときの悪印象を覆したのが、
ユニークな教授陣たちでした。
中でも、今日のパネリストの一人で、デザインができること、
デザインが地球に対してできること、を気づかせたくれた教授が
僕はとりわけ好きでした。
建築への興味をより深いものにしてくれたのもこの先生でした。
自分たちが住む星を、自分たちが立つ大地を、
人類は自ら汚している。他の生物たちを犠牲にして。
なんの権限があって人間はエゴを振りかざすのか。
どうして自分の住処を自ら破壊するほど人は愚かなのか。
僕たちはまず気づかなければならない。
そして伝えなければならない。
見せかけの不都合に真実を隠してはならない。
[Green Building: 屋上のみならず壁面まで緑が必要な時代。]
まずは概要を10分ほど聞いた後、
「不都合な真実」を30分ほどのダイジェストで見る。
以前一度この映画を観ました。
やはりこの大学の先生の薦めで。
この映画を観て、なにも思わない人、人類の危機を否定する人を
僕は信じられない。
そこには確固としたデータに裏付けられた、
地球の危機が分かりやすく説明されている。
ただ、難しい問題であることも事実。
二十歳そこそこの学生がただ映像やデータを提示されただけで、
即地球の危機を実感できるか、というとそれは難しいと思うわけで。
実際僕もこの歳になってようやく実感がわきはじめたわけで、
自分が18、19の頃は全く歯牙にもかけなかった。
この年頃って自分のことでせいっぱいだと思うのです。
それでもなにかしらやっていかなきゃいけないわけですよ。
地球はそこまでのっぴきならないところまできている。
理解と意識をさせる活動と同時に、
無意識にでもこの危機を回避していく活動に参加させる方法も必要だと思うのです。
...んで足りない頭をふりしぼって僕も考えてみました。
東京電力のサービスに「でんき予報」なるものがあります。
(現在はサービス終了してますが)
前日のの総電気使用量を表示すると共に、
その日の電気使用量を予測するものですが、
人は具体的にデータを提示されると理解を示すもの。
そこで。
ビルの管理システムみたいなのを誰でもみれるようにしたらどうか。
各部屋の電気のON-OFF、空調のON-OFF、設置PCや機械のON-OFF状況、
総電気使用量などをWebなどで逐次モニタリングできるようにする。
一定量の電気使用量を越えていると赤信号などでWarning表示をする。
さらにそれらの情報をSNSなどで公開・共有する。
電気使用量の変化を視覚的に客観的に把握できるようにすることで、
使っていない電気をOFFにしようとする動きを促す。
インターネットと電力系統とのインフラ整備が必要で、
すぐに実現できるものではないでしょうが、技術的にはそんなに難しくないはず。
そのほか多摩美上野毛校で行っている活動として、
「東京自転車グリーンマップ」というものが紹介されてました。
簡単に言えば、自動車乗るのやめて、自転車に乗ろうよ、というを支援するもの。
東京って意外と自転車で走ると楽しいよ、ってことをアピールするものですが、
自転車乗りとして、これは半分賛成、半分反対。
確かに東京は広く、中には走って楽しい、気持ちの良い場所もある。
でも東京は、いや日本はけして自転車の走りやすい街じゃない。
さんざんこけて事故ってる僕が生き証人。
自転車専用道というものがほとんどなく、歩道は人がいるし、
車道は自動車が我が物顔で走ってる。
自転車推奨が悪いというのではなく、
僕も自転車乗りだから積極的に自転車を推奨したい。
ただ、これもインフラまで絡んだ根が深い問題だということを認識すべきです。
エコ問題は根が深い。
だから深刻な問題となっているんだろうけど、
だからといって一部の偉い学者さんだけでなんとかするものじゃない。
日々を生きる僕たちの小さな積み重ねが大事。
個々の力は増しているし、ネットワークによるつながりも力を増してくれる。
クリアしていかなければならない壁はどんどん高くなってゆくけれど、
個と団体の相乗パワーで乗り切らなきゃ、ね。
デザイン-それは地球に残された最後の資源、なのです。