夏休み三日目は福井県。
現存十二天守の一つ、丸岡城を後にして、海岸へと車を走らせる。
国の天然記念物であり、名勝にも指定されている東尋坊へ。
自殺の名所として有名ですが、もちろん自殺願望があるわけではなく。
その昔、平泉寺というお寺には数千人もの僧侶がいて、
そのなかに東尋坊という暴れん坊の悪僧がおり、近隣の民百姓を苦しめていた。
東尋坊にはあや姫という娘をめぐって争う恋敵に真柄覚念がいて、
覚念と結託した僧侶たちはある日断崖絶壁で酒宴をはじめ、
泥酔した東尋坊を崖の上から突き落とした。
その後49日間、東尋坊の無念により海は大荒れとなった。
...というのが東尋坊の名の由来だそうです。
最初の犠牲者は東尋坊その人だったんですね。
東尋坊は「輝石安山岩の柱状節理」という世界に3箇所しかないとう
地質学的に珍しいもの。
六角柱状が集まり25メートルにもおよぶ巨大な岩体が形成されるさまは、
なかなか迫力ある風景を形成しています。
屏風岩。
遊覧船で海岸周りを観覧することができます。
海岸の背後には土産物屋が集まった商店街があり、すっかり観光地化されています。
とても自殺するような雰囲気ではないですね。
行ったときは気づかなかったのですが、
それでも自殺の名所ということで、周囲には自殺を思いとどまらせるための
看板や句碑、さらには誰かにすぐに相談できるよう「救いの電話」と呼ばれる
電話ボックスも設置されているそうです。
なかなか壮観な景色を持つ東尋坊ではありますが、
四国住民として室戸岬と足摺岬を見てきた者としては、
いやいや、四国も負けてないよ、と思うわけで。
祈願の迫力は室戸岬も負けてないし、
足摺岬の断崖は80メートル、と東尋坊の3倍の高さになるわけで。
東尋坊が大したことない、ということではなく、
四国はもっとこの二つの岬を誇りに思うべき、ということを強く言いたい。
東尋坊にはそのほか雄島や越前松島、荒磯遊歩道、東尋坊タワーなどの
観光スポットがあるみたいですが、
今回はもう一箇所巡りたいところがあったので海岸だけ眺めるのみとし、
早々に次の目的地へ。
東尋坊のある三国町は温泉郷でもあるので、
今度はゆっくり温泉に入りながらのんびり巡りたいものです。
訪問日:2018年8月13日(月)午後
アクセス: 福井駅より車で50分程度