夏休み三日目は福井県。
勝山市にある福井県立恐竜博物館を後にして坂井市丸岡町の丸岡城へ。
北陸地方唯一の現存天守である丸岡城は、
安土桃山時代の1576年に柴田勝家の甥・柴田勝豊によって建てられました。
現存十二天守の中では最も古いとされる一方で、
犬山城も創建1537年でこちらが最も古い、と主張していますが、
犬山城よりも39年も後の丸山城が最古を主張するのはどういうこと?
昭和9年に国宝指定されるも、昭和23年の福井地震で倒壊。
昭和25年施行の文化財保護法(新法)では重要文化財指定に留まった。
昭和30年に倒壊材を組み直し復元され、現在にその姿を留める。
藤堂高虎の宇和島城と同じ五角形の城郭。
外観二層、内部三階の望楼型二重三階の天守。
高い天守台が特徴的。
一番の特徴はなんといっても地元で取れる笏谷石(しゃくだにいし)で作られた石瓦。
トータルで約六千枚、約120トンにもなる重厚なものですが、
そのおかげで長い年月を厳しい風雪に耐えてこれたのでしょうか。
天守最上階の鯱も戦時下は石製でした。
福井地震の際に倒壊してしまい、現在は当初の木彫り銅板で復元されています。
しかし下層部分は現在も石製。
長い階段を登って天守の中へ。
急峻な階段。ヒモがないと上がれません。
下から登ってくる敵を蹴落とすためにあえてこの急峻さにしているのだとか。
二階の巨大なお城模型。
模型の中には犬や鶏など隠しキャラが盛り込まれていて、
三次元板「ウォーリーをさがせ!」を楽しめます。
犬がいるのが分かりますか?
最上階「天井の間」に上がって。
彦根城に比べると、シンプルで直線的な天井。
最上階からの眺望。
これといったランドマークがないのが残念。
麓にある歴史民俗資料館。
フラッペで小休憩。
一筆啓上 日本一短い手紙の館。
徳川家康の功臣で「鬼作左」と呼ばれた本多作左衛門重次が陣中から妻へ宛てた手紙。
一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ
この「お仙」が初代丸亀藩主本多成重だったことから、
手紙のコンクール「一筆啓上」賞がはじまり、その作品を展示する場所として、
当館が誕生しました。
趣旨は分からなくはないのですが、デジタルツールに頼りすぎ。
デジタルは便利で効率的で効果的ではあるけれど、
電気がなければ全くその体をなさない。
はたして電気は未来永劫残ってゆくものでしょうか。
デジタルははてしない時を耐えられるでしょうか。
最近は特にその思いが強く、素直に展示を見る気になれませんでした。
そんな想いを抱えた自分の前をクラゲがゆったり泳いでく。
なぜか一時流行ったウーパールーパーまで。
建物自体がなかなかユニークな空間なのですが、
内部はそのユニークさを活かしてないように感じました。
中庭がまた素敵なんだな。
ふと、置かれているセンス良さげな椅子やテーブルを見ると...
あの石巻工房のものでした。
シンプルだけど人を惹きつける造形。
こういうものを作りたいのだけど。
訪問日:2018年8月13日(月)午後
アクセス:北陸自動車道丸岡ICより車で5分、JR福井駅よりバスで40分
無料駐車場あり
開館時間: 8:30〜17:00(年中無休、最終入場は16:30まで)
料金: 大人450円、小中学生150円
※丸岡城、歴史民俗資料館、一筆啓上日本一短い手紙の館共通入場券