京都・東福寺に行ってきました。
二年前に東京のワタリウム美術館での展示を見て以来、訪れてみたかった場所。
「京都最大の伽藍」で紅葉の名所「通天橋」で有名なお寺ですが、
僕の一番のお目当ては重森三玲の「八相の庭」。
東福寺は大きく「通天橋・開山堂エリア」「方丈エリア」「本堂エリア」の3つのエリアに分けられます。
うち本堂エリアだけが無料拝観でき、他の2つはそれぞれ入場料が必要です。
残念ながら粉雪が舞う寒い日での観覧となりましたが、
やはりそこは素晴らしい空間なのでした。
まずは通天橋エリア。
入場料400円。
本堂裏からはじまる。
舟の舳先のごとく反り返った屋根が美しい。
紅葉の頃であれば絶景であった小路。
愛染堂。
美しい朱色の六角柱。
開山堂。
隣接する昔門院。
方丈の砂地。
緑の小山。
続いて八相の庭のある方丈エリアへ。
入場料同じく400円。
庫裡から入ってゆきます。
建物の東西南北に四庭が配され、「八相成道」に因んで「八相の庭」と称していたものを、
2014年に国定名勝に認定されたのを機に、「東福寺本坊庭園」という名称になりました。
東庭「北斗七星の庭」。
七つの星に使われている円柱石は「東司(便所)」で使用されていた礎石で、
東司の解体修理をした際に、余材として出てきたものを再利用したとか。
大胆な発想転換で地味な素材が宇宙を生みだしている様は「見事!」の一言に尽きる。
南庭。
西庭「井田の庭」。
大市松模様。
北庭。
北庭の大市松が細かく分割されて小市松となり...
やがて東北方向の谷に消えてゆく。
それを見守る守り神...か?
昭和期の木造建築としては最大級の本堂。
禅堂。
現存する最古の三門。国宝に指定されています。
一見なんの利益を生み出しもしなさそうな空間でも、
その場所にいるだけで幸せな気持ちにさせてくれる。
そういう空間は長いスパンで見れば、人類に莫大な利益をもたらす。
【information】オフィシャルサイト
・アクセス:JR奈良線・京阪本線「東福寺駅」下車、
もしくは市バス202,207,208系統「東福寺」バス停下車、南東へ徒歩10分。
・入場料:無料、ただし一部有料エリアあり(通天橋エリア、方丈エリア共に400円)
・無料駐車場あり(ただし紅葉の期間10月20日~12月10日は閉鎖)
tadaoh
2016年の紅葉シーズンから通天橋での撮影が禁止となりました。
紅葉名所の橋、撮影禁止に 京都・東福寺
このニュースを見て、正直がっかりしました。
美しい紅葉が撮れなくなることはもちろん、混みすぎる京都の現状に。
撮影禁止にせざるを得なくなったのも混雑による危険防止のため。
目先の利益にとらわれて、古来よりそこにある美しさを失おうとしている。
どんな美観も、必要以上の過多は醜さで覆われてしまう。
そんな光景を記録に残したいと思うだろうか。
このままではいずれ撮影禁止にするまでもなく、撮影するに値しない光景となってしまうだろう。