タマビを卒業後、愛媛県西予市に移住し木工による地域おこし活動に三年間従事した。
木工経験がほとんどなく、手探りしながらの活動ではあったが、
木工の何たるかを知る一助となった。
一方で、木工に関する専門的な技術と知識の必要性を思い知る機会ともなり、
地域おこし協力隊卒業後、宇和島市にある高等技術専門校(職業訓練校)の
木工クラフト科に2014年4月より入学し、一年間学んだ。
木工に関する専門技術・知識を学ぶには良い場所ではあったが、
木工業界の厳しさををさらに思い知ることにもなった。
職業訓練校でのカリキュラムは技術研鑽が主な内容であり、
デザインに関しては初歩程度であり、
技術とデザインの融合には程遠い状況だった。
ここではそのような状況下で自分のデザイン性を活かせたと思う制作物について、
紹介していきたいと思います。
入校して三ヶ月はひたすら刃物の手入れ。
はじめてつくった制作物はシンプルな「箱」。
ここからすべてははじまった。
続いて作成したフリーケース三種。
正方形。
六角形。
そして冒頭の円形。
木部を彫って木片を埋め込む象嵌技術を学びました。
なかなか手間のかかる技術で、対費用効果を考えると、
なかなかその有効性を見出すのは難しい。
続いて積み木ケース。
こちらも象嵌技術によるもの。
建具制作。
本来和の要素が強い障子戸にキリスト教の十字架という西洋の要素を
あえて取り入れてみました。
飾り棚。
糸鋸による紋様表現。
名刺入れ。
愛媛県産の杉と檜を使って、これまた愛媛の県産物であるミカンを表現。
一年間の集大成、椅子。
表現的にも、機能的にもくつろげるリラックス・チェア。
斜めや曲線表現がいかに大変な作業であるかを思い知る作品でした。