

愛媛県大洲市にある少彦名神社に行ってきました。
大洲市は生活圏内で、買い物によく行く町だったのですが、
この神社は市街中心部からやや離れたところにあり、なかなか訪れる機会がなく。
また現在は氏子を持たない神社らしく、20世紀末の頃には
第一の鳥居が伊予大洲駅の目の前にありながら、地元の人もほとんど訪れず荒れ放題だったとか。
2002年に地元有志が集まって「おすくな社中」を結成され、熱心な保存活動がはじまりました。
とくに山の斜面からせり出すように建てられた参籠殿は、
「伝統的な懸け造り(三方懸け)という技法で建てられた近代建築」という大変珍しいものであり、
2013年にはワールド・モニュメント財団(WMF)により「危機遺産」に認定され、
その翌年には修復のための助成金を得て修復工事が行われました。
自分が訪れた時はこの工事期間中のことでしたが、終盤ということもあって、
ほぼその全容を目にすることができました。
工事は途中現場の棟梁が不慮の事故で命を落とすという、不幸があったものの、
2015年3月に無事終了し、竣工式が行われました。
2016年にはこの参籠殿の保存活動がユネスコアジア太平洋文化遺産保全賞の2016年最優秀賞を受賞。
いやー、地元にこんなすごい建物があったなんて。
灯台下暗し。
入り口の説明看板。

素人には少々分かりづらい。
もう少しくだいて、誰にでも分かるような説明にしてほしいなあ。
ネットでざっくり調べる限りでは、
少彦名命(スクナビコナノミコトもしくはスクヒコナノミコト)は
古事記や日本書紀に登場する日本神話の神様で、
この神様を祀った神社は全国各地にありますが、
大洲市にある少彦名神社は少彦名命の終焉とされる地を崇敬するために建てられた、
全国でもめずらしいものだそうです。
臥龍の湯からちょっと町外れに進むと現れる二の鳥居(?)。


2012年に参籠殿や拝殿に上がれない人たちのために麓に建てられた下宮。

斜面にせり出すように立つ、参籠殿。



一見、伝統的な神社建築の外観ですが、建てられたのは1934年(昭和9年)で、
当時の最新技術を駆使して建てられた「近代建築」だそうです。
「懸け造り」で建てられた伝統建築は、
清水寺(京都)や長谷寺(奈良)など全国に120余りが現存するみたいですが、
近代建築はあまり例がなく、めずらしいみたいです。
ファサード。

独特な鬼瓦。


中へは入れず、外から覗き込む。

三方ガラスなのでとても明るいです。
参籠殿を後にして、拝殿へと上る。
狛犬。

手水。

「心も洗いましょう」ってことなのかな。
拝殿。

奥には神殿が。

なかなか雰囲気ある空間ですが、だいぶ荒廃しているようでした。
ここからさらに、中殿(神楽殿)、本殿(御陵)へと上る道があるそうですが、
さらに荒廃が進んでおり、軽装で行ける場所ではない、とのことなので、
今回はここで、引き返しました。
<参考ページ>
・ECPR
少彦名神社参籠殿修復に取り組む ー おすくな社中 代表 叶 豊
・Travel.jp
急斜面に建てられた"懸け造り"の参籠殿。世界危機遺産『伊予大洲・少彦名神社』とはこんな所だ!
・大洲市
少彦名神社参籠殿 1棟 附 棟札及び板図
・産経ニュース
愛媛・少彦名神社参籠殿の修復に助成金 米ワールド・モニュメント財団
【Information】
JR伊予大洲駅より車で10分程度。