長かった春休みも気付けばもう終わりで、
いよいよ今週から新学期。
大学の助手さんのお手伝いで大学にはしょっちゅう行ってたものの、
同級生とはほとんど顔を合わすこともなかった。
そんな春休みも終わりのある日、同級生の女の子から花見のお誘い。
久々にクラスメイトの面々に再会。
みんな青春してました。
...若いっていいね。
花見に誘ってもらったものの、出かけるときになって雨が降り出して。
結局同級生の家に行くことに。
...しかし若者の話についてけない。
若者ってどうしてあんなにアニメや漫画が好きなんだろ。
かくいう自分も二十歳そこそこの頃には本棚が一杯になるくらいコミック漫画が
ぎっしりあったけどね。
「ニュータイプ」とか、「アニメディア」、「アニメージュ」などの
アニメ雑誌も買ってたけどね。
アニメや漫画を見てしょっちゅう妄想してたけど。
...今やジブリくらいしかもう興味がない。
そういう大人をみて若者たちは、「夢をなくした大人たち」と思うのだろうか。
現実世界にはもっと面白いものがたくさんある。
見るだけよりも、触れることで感じる喜びのほうが数段素晴らしい。
ただ、そのことに気付いただけ。
青春を謳歌している若い同級生たちと比べると、
自分はとても禁欲的な学生生活を送っている気がする。
この歳では大学にいてももう青春の日々は送れないのかもしれない。
僕の青春は遅咲きだったけれど、
バツイチになった時点でその時代は幕を下ろしてしまった。
今の若者と同じような人生を過ごせず、
かといって同年代の多くが過ごすような人生も過ごせず、
それが僕の孤独感をなおさら強くさせる。
今の僕の人生を一言でいうならば、
青春時代ならぬ「緋春時代」といったところだろうか。
なにが楽しいって今は建築やデザインのことを考えているときが一番楽しい。
学校で講義を聴きながら、新しい自分を発見していくのが楽しい。
学校で自分の作品を作りながら、自分を表現していくのが楽しい。
だから学校がはじまるのが待ち遠しくてならない。
徹夜でオールして(...といっても最後のほうは寝ちゃってたけど)、
久々の朝帰り。
せっかく花見を口実に出かけたのだから、と
早朝の帰り道、近所の等々力渓谷付近に咲く桜を撮ってみました。
多摩川の桜も満開でした。
さあ、新学期。
...の前に最後の遠出をしてきたいと思います。
ちえ
ただおーさん、はじめまして。
先日多摩美の八王子図書館へ行きまして、「多摩美は学費が〜」と学生の方が口にしていたのを耳にしたので、帰宅してから多摩美についてググっていたところ、ただおーさんの2008年7月 7日「多摩美術大学奨学金」の記事にたどり着きました。
そちらの記事にコメントするべきか迷いましたが、こちらにすることにします。
さて、板茂さんが"Sur|face"で「日本の大学は世界でも最低のレベル」と言ったそうですね。
私自身そのDVDを観ていないので詳しい事は分かりませんが、それを読んで少し驚きました。
そしていろいろ考えた結果、ただおーさんと同じように大学生活で一番重要なのは「意欲」なのだと思いました。
私はイギリスの大学を出ていますが、やはりそこでも強い意欲を持ち、大学から得られる出来る限りのものを有効に利用して良い結果を出していく学生もいれば、気楽な大学生活を送るために在学しているような人もいました。
ただ、イギリスを始めとするたくさんの欧米の国々の大学に見られるように、クラスには一度社会に出てから大学に入学したいわゆる"mature students"が、生徒の約30〜40%を占めていて、その方達の間ではそんな意欲が高い方が多かったことを覚えています。
高校卒業時に十分なお金がなかったから、社会に少し出てから大学に行こうと思ったから、またはただおーさんの様に一度大学を出てから、もう一度別の科目を学ぶため、など理由は様々ですが、高校から大学への流れで入学してきた人たちよりも、お金の価値観や、人生や社会での経験の差などから、気合いの入り方が違ったのは当然のことだったのかもしれません。
ですからあの記事内のただおーさんの決意は、本当に素晴らしい事だと思います。
伊藤豊雄さんの建築目当てで今回訪れた八王子図書館でしたが、設備の良さと充実した資料は私の通っていた大学と同等かそれ以上だと感じました。日本の大学は経験していないし、どのような意味で板さんはあのような発言をしたのかは分からないのですが、生徒の心持ち一つで充実した大学生活が送れるか否かが決まるのは、日本でも他の国でも同じような気がします。
そして、デザインの世界ではやはり地道な努力は評価されると思いますし、日本の大学でこそ少数派に感じられるかもしれませんが、少なくともイギリスの基準ではただおーさんは「普通」の部類に入り、人より遅れをとっているということは全くないと思います。
自分自身の学生時代を思い出し、もっとあのmature studentの方々のように、高い意欲を持てば良かったのにと思う事がよくあります。日本でもイギリスでも、私のように社会に出てからそう感じる人は多いことでしょう。苦労も多いと思いますが、だからこそただおーさんには是非とも第二の大学生活を、有意義に楽しみながら送ってほしいと思います。
それでは新学期、いろいろなこと吸収して思いっきり楽しんでください。
ちえ
あともうひとつだけ、すみません。
デザインの様々な分野で、日本人の方々が世界的に活躍しています。その中には大学に行かなかった方もいますが、日本の大学に行った方も多いですよね。ですから、その方達はたとえ「世界でも最低のレベル」の日本の大学に行ったとしても、何らかの形で自分の実力や能力を披露し、認めてもらったんだと思います。
そして個人的に、日本の大学で学んだ方達は、日本の大学の教育ならではの長所を持っていると思います。
例として日本の建築の学生の方達は、まるでプロの職人さんのような完成度の高い模型を作ります。CGに頼りがちなイギリスの学生のそれとは比べ物になりません。
まあ、模型作りが上手くなる事が良い教育かと言われれば、それは議論の余地があります。
ただ、模型作りに重点を置きすぎて、他の分野に全く手を付けさせてくれないといった教育でない限り、模型作りが上手い事は悪い事ではないのだと思います。
ですから、結局は生徒の「意思」の問題なんですよね。
何だか同じ事を長々と繰り返してすみません。何が言いたいかというと、少なくともただおーさんの様に強い意思を持って地道に努力をしていれば、たとえ「最低のレベル」といわれる日本の大学システムであろうとも、得る物は失う物より何百倍も多いと思うということです。
ではでは。
tadaoh
ちえさん >
はじめまして。丁寧なコメントありがとうございます。
まず誤解をなくすためにお伝えしますが、僕自身は日本の大学は最低だとは思っていません。
海外の大学を経験したこともないので比較もできません。
そしてなにより最低だと思っていたら今、大学に残っていません。
今の大学に失望している部分もあれば、希望を持っている部分もあります。
いろいろ大学のシステムに対して文句を言ってますが、
なんだかんだ言って僕はこの大学から多くのものを得ています。
ただ、今の日本の大学の多くは義務教育の延長のような感じで、
自分がやりたいことを自分で見つけて継続する、という社会に出て活躍していく上で
一番必要な「モチベーション」を学生に持たせることに欠けている、という点で
坂茂氏の「日本の大学は最低だ」という発言に少なからず共感する部分もあります。
奨学金にしてもその額は海外などに比べると日本は全然少ないみたいです。
高い学費をとりながら学内の設備を開放せず、自由に使わせない。
かえってそのモチベーションを潰していることさえある。
学生の「やる気」を育てる。
大学の運営者や教授陣はこの基本的なことをもっと大切にしてほしいと思います。