クレマチスの丘1・ビュフェ美術館【静岡県長泉町】

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春休み最後の遠出にクレマチスの丘に行ってきました。

お目当てはビュフェ美術館と桜です。


本当は佐倉にある川村記念美術館のマーク・ロスコ展を見に行くつもりでした。
「佐倉で桜」を洒落込もうかな、と。

しかし先週の日曜美術館でビュフェの展示情報を見て、急遽こちらに変更。

新日曜美術館は今春からタイトルを「日曜美術館」に戻し、
キャスターも黒沢保裕アナ・檀ふみペアから、
姜 尚中・中條誠子アナへチェンジ。

黒沢アナの落ち着いたダンディーな声と檀さんのちょっとおとぼけた声の
組み合わせが妙に心地よくて好きだったんですが。
姜 尚中氏はちょっと口調がきつめ、中條アナがちょっと頼りなさげ、
というのがちょっとね...


まあとにかくそんなわけで春休み最後の朝、早起きして静岡は三島へ出発。

自由が丘で東横線に乗り換え横浜まで。
横浜から東海道線で熱海まで。
熱海でまた乗り換えて三島まで。

二時間ちょっと、と意外な近さです。
しかしSuicaは熱海までしか使えないのでご注意。

三島からは無料シャトルバスで25分程度。

クレマチスの丘はヴァンジ彫刻庭園のあるエリアと、
ビュフェ美術館、井上靖文学館のあるエリアの2つのエリアで構成。
チケットは3つのミュージアム共通チケットというのがあって、学生料金で1,300円。
メルマガを購読すると、200円割引されます。


まずは一番の目当てであるビュフェ美術館エリアへ。


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ビュフェ美術館エリアは自然の地形を生かした庭園が持ち味。

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桜あり、竹林あり、吊り橋あり、といろんなバリエーションに富んでいます。
ヴァンジ彫刻庭園エリアの人工的な庭園とは対照的です。


ビュフェ美術館全景。
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美術館正面に大木を置いていたり、と
基本的に美術館全体の外観を見せない工夫がされてる気がしました。
内部空間を歩いても空間構成が把握しにくい、複雑な構造になってるのかな。


入口。
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ベルナール・ビュフェとの出会いは中村隆夫先生の授業でした。
その授業で紹介された「肉屋の少年」という作品しか知らなかったのですが、
強い線で構成されたその絵に妙に惹かれて心に残っていました。

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[肉屋の少年(1949年)]

ビュフェ美術館はビュフェ作品の熱心な収集家であった銀行家の岡野喜一郎氏によって設立。
設計は菊竹清訓氏。

ビュフェの作品はもちろん、菊竹氏の設計した展示空間にも興味があって
今回訪れたわけですが、思った以上に素晴らしい空間に感動。
そして中は思ったより広くてボリュームある展示でした。

回廊式のギャラリーではじまり、いくつかの展示スペースへと続きます。


その中でもとくに好きな空間が2つ。

まずは部屋の中央天井からの自然光のトップライトを浴びながら
スロープを下る2階構成の展示スペース。
順路はまず2階の展示を見てスロープを降りていくわけですが、
スロープを下りながら1階の作品をいろんな角度から鑑賞できるのがイイ。
「肉屋の少年」もこの1階に展示してありました。

今ひとつは壁が三面の三角柱の部屋。
高い天井に窓を配して自然光のトップライトを取り入れてます。

思わずスケッチ。
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しかし下手くそなのでイマイチ雰囲気が伝わらない。

3つの壁にはそれぞれ2枚ずつ大きめの作品が展示されているのですが、
そのうちの1つの壁に展示されていた「キリストの笞刑」「キリストの復活」という
作品がすごく心に残った。


「キリストの笞刑」


「キリストの復活」

しかしどの絵を見ても彼の作品には悲哀を感じる。
そして病的な執着、というものも。
それは絵画のみならず、絵に入れるサインにも現れている気がします。

アナベルという良き伴侶、ミューズを得るも、
彼にとっての人生は絵を描くことがすべてだった。
晩年パーキンソン病にかかり、絵が描けなくなることを知ると
アナベルを残して自らの命を絶つことで画家生命に終止符を打った。

愛する人がそばにいながらその幸せに気付くことができなかった。
それが彼の一番の不幸ではなかったろうか。


館内は原則写真撮影は禁止なのですが、
「こども美術館」というエリアだけは撮影OKでした。

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いわゆるキッズルームみたいな場所ですが、
平日昼間というせいか子どもは一人もいず。
僕のほかには一組のカップルがいただけでした。

壁にはいくつかビュフェ作品が掛けられていたのですが...
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子どもがべたべた触ることを考えるとやっぱレプリカなのかなあ...


ビュフェの言葉が記された石碑。
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まったくそのとおりですね。


絵画だけでなく、彫刻作品も手がけてたみたいです。
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写実と抽象、二つは見た目はまったく違うけれど、
画家が表現しようとしている「芯」とでもいうべきものは、
同じもののように感じる。


部屋には奇妙なおもちゃがたくさん置かれてました。
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これらもビュフェの手で作られたのでしょうか...


美術館の外にあるレストラン&ミュージアムショップ。
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ガイドを購入。
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1,000円也。


すぐ近くに井上靖文学館があります。
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さらっと流すつもりがけっこう時間かけて見学してしまった...


さて、次はヴァンジ彫刻庭園エリアへ。


【information】オフィシャルサイト

アクセス:JR三島駅 北口より無料シャトルバスで約25分

開館時間:
10:00〜18:00(4〜8月)、10:00~17:00(2, 3, 9,10月)、10:00~16:30(11〜1月)

休館日:水曜日(祝日の場合は開館、その翌日)、年末年始

ビュフェ美術館入館料:大人1000円、高・大学生500円、小・中学校無料(特別展示を除く)