速水御舟展【山種美術館】

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[六本木方面からの眺め]

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広尾の山種美術館へ行ってきました。
「日曜美術館」での速水御舟の「炎舞」特集を見て。

山種美術館は山種証券の創立者・山崎種二の個人コレクションを展示する美術館として、
1966年に日本橋兜町に開館。日本画専門美術館としては日本初でした。
設備の老朽化に伴い、この10月に新美術館を広尾に開館したとのことで、
その開館記念展が10月1日(木)~11月29日(日)で開催されています。
「炎舞」そのものはもちろん、新美術館の建物にも興味があって行ってきました。
設計は日本設計。


恵比寿駅から駒沢通りを徒歩10分。
ジグザグ状のファサードが見えてきます。

ジグザグの片面に窓がついていて、
恵比寿側と六本木側からとでは見栄えが違って見えます。


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[恵比寿側から眺望: こちら側からは窓は見えず]

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[ファサードのディテール]

折板状の壁が特徴的な建物ではありますが、1階はロビー及び受付、
2階以上は賃貸オフィスとなっており、展示エリアは地下にあります。


エントランスの加山又造の壁画「千羽鶴」。
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さて、速水御舟展ですが、
「日曜美術館」を見る限り、超絶技巧タイプのように見えたのだけど、
作品全体を通して見ると、そうでもないみたい。

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[『炎舞』(画像はWikipediaより)]


「炎舞」のような技巧作品があるかと思えば、
人物作品などは意外と抽象的、簡略的。
作品によってムラがある人のように感じました。

しかし「炎舞」はやはりすごい。
照明の効果もあるんだろうけど、
炎の部分がほのかに発光しているように見える。
実物は意外と小さいのですが、実物以上に大きく見える。


そのほか良かったのが「桔梗」。
シアン色の茎が明るく、一際艶やかさを醸し出している。
実際にはあり得ない配色なんだけど、なぜか違和感を感じさせない。

そのほか御舟は日本画の絵の具にはない紫色を、
油彩用絵の具を使って表現したりと、いろいろ創意工夫をしているようです。
この展覧会のサブタイトルは「日本画への挑戦」ですが、
「日本画の挑戦」とするほうがいいのかも。


しかしこうしてみると日本画も面白い。
これまでは洋画ばかりだったけど、日本人ならやはり日本画の良さも知らなくちゃね。

年末には開館記念特別展第二弾として東山魁夷の展示をするみたいだし。
近いうちにまた訪れることになりそうです。

さんざん迷ったのだけど、図録は今回は我慢して次の会場の乃木坂へ。