村野藤吾 建築とインテリア ひとをつくる空間の美学
松下電工汐留ミュージアム
建築家村野研吾氏の展示を見に汐留ミュージアムまで行ってきました。
とくに外国かぶれというわけでもないのですが、
僕が好きな建築および建築家は海外に多い。
意外に日本の建築および建築家を知らない。
最近の僕の志向として、建築に限らずなんでもそうなのですが、
なにかを参考にするとき、できるだけ自分から遠いものを好む傾向があるようです。
自分に近いものを参考すると、それに染まってしまう気がして嫌だったし、
自分から遠いほうが客観的に判断ができる。
しかしやっぱり日本人なら、日本の建築を知っておくべきだ。
場所が同じなら、時代で遠ざかろう。
もちろん村野氏のことも全然知らなくて、
新日曜美術館で紹介されているのをみてはじめて知りました。
1891生-1984年没。
世代的には丹下健三氏の一世代前になります。
適任ですね。
...ということで行ってきました。
村野氏の建築の特徴は、建築とその周囲の境界の「融合」にあるといえます。
壁と屋根が融合し、建物と大地が融合する。
自身がその個性を主張する建物が多い昨今、
建築は大地に根ざしたものであり、動かないものであり、
だからこそ周囲との「融合」が大切なのだということを氏の建築は再認識させてくれます。
それでいて建築そのものの存在感を曖昧にさせない。
そのための工夫が「回廊」なのかもしれない。
氏の建築で回廊が特徴的なのはそのせいではないでしょうか。
そんな氏の建築の特徴が、
「日生劇場」
「千代田生命ビル(現・目黒総合庁舎)」
「新高輪プリンスホテル」(現・グランドプリンスホテル新高輪)
「谷村美術館」
「八ヶ岳美術館」
などの作品に効果的に発揮されているような気がします。
日生劇場(日比谷)。
千代田生命(現・目黒区総合庁舎)
その内部。
グランドプリンスホテル新高輪(品川)
その内部。
世界平和記念聖堂(広島)。
その内部。
最後に図録を買いました~。
定価約3千円ですが、この展示期間中は2,500円に割引されます。
また一人、良い建築家を知ることができました。