藤森建築と路上観察【東京オペラシティアートギャラリー】

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建築史家にして建築家、藤森照信氏の展覧会に行ってきました。
新宿の東京オペラシティ3Fアートギャラリー。

Web Designing6月号の「ツクルヒト」。
そこではじめて藤森さんを知ったわけですが、
そこに掲載されていた「茶室 徹(てつ)」。
満開の桜の中にたたずむ木の上に佇む小屋。
何とも幻想的なその風景に惹かれました。

入場チケットにその見事な風景が採用されています。

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[チケット]

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本展は第10回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展で開催された同タイトル展の
凱旋帰国展で国内で藤森照信を本格的に紹介した初の展示会だそうです。

最初は建築史家として活動していて、
これまで未来に向けて立てられる建築はたくさんあったが、
過去を顧みるための建築はなかったので自ら作ってみることにして
1991年44歳のときに建築家としてデビューしたんだそうです。
藤森建築は、施工にあたり、藤森さん自身、友人、施主からなる
「縄文建築団」が参加して手作りすることが特徴。


その氏が作る建物は最近の未来志向の無機質な都市型建築とは
明らかに一線を画している。
斬新だけどどこか懐かしく、
目立つけど不思議と周囲の自然風景に馴染んでいる。
とにかくとてもステキな建物なのです。


藤森建築の画像をPinterestで検索してみました。
(必ずしも展示作品や展示風景を表すものではありません)



[茶室「徹」]



[高杉庵]



[入川亭]


[空飛ぶ泥船]



[ニラハウス]



屋根の上に花や芝など植物が生えている家。
ラピュタやトトロなどのジブリ世界が
あたかも現実世界に再現されているかのように思えます。
自然と建築の調和を目指した藤森さんの建築は、
宮崎駿の人類が自然の一部として調和していくべき、というメッセージに
重なる部分があるように思えました。


会場では氏が建築の際に使用する器具や材料などの紹介にはじまり、
これまでの建築物のパネル紹介に続き、さらには靴を脱いで焼杉の壁に
空けられた小窓をまたいで入場する部屋へと続く。

杉の表面を焼くと強度が増すそうです。
栗の木は腐りにくいみたいです。
へー、って感じ。

代表作「高杉庵」の建築過程の映像紹介。
近未来の東京模型「東京計画2107」はまさにジブリ世界の舞台のよう。


氏は研究の一環として1974年に東京建築探偵団、
1986年に路上観察学会を発足させていますが展示の後半ではその
活動の様子が映像や資料、書籍などで紹介されています。

巨大な「籠」のような建物の中で上映されていた、
路上観察学会の映像が面白かったなあ。
マンホールや、道路標識、ガードレール、雨どい、壁など
さまざまな路上の奇妙な光景、風景。
普段何気なく歩いている路上にも探せば実に面白い側面があるんですね。


二時間たっぷり鑑賞して、続いて同展チケットで観ることのできる
収蔵品展023 こことそこの間」「project N 29 須藤由希子
を1時間ほどで鑑賞。
「こことそこの間」の野又穫が良かったなあ。
どこにも存在しない空想上の建物、乗り物がすごく精緻に描かれている様は
リアルだけどどことなくファンタスティック。


会場出てすぐ隣にあるショップ「gallery5」に寄る。
同展のカタログが置いてありましたが2,650円という値段の割りに
サイズが小さくて英語版しかないので今回はパス。
その代わり「ザ・藤森照信」という一般本が良さげでした。

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撮影はあの本城直季氏。

もう一冊。

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安藤忠雄、伊藤豊雄、磯崎新ら建築界の巨匠と共著。
やっぱ藤森さんってすげーんだな...

本展で藤森さんの建築に魅せられた人は来月の男鹿和雄展もぜひ足を運びましょう!