A visit to Luis Barragan House【ワタリウム美術館】

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三越での日本伝統工芸展での失望を埋め合わせるべく、
今度行くつもりだった外苑のワタリウム美術館へ。

9月からルイス・バラガン展がはじまっています。
会場構成をSANAAが担当し、バラガン邸が再現されます。
バラガンの名前は前から知っているのですが、
どんな建築なのかはまだよく分かっていないので、
ぜひとも行きたい、と思ってました。


この展示は知識を求めに行くと落胆します。
あくまで再現されるバラガンの空間を体験するためのもの。

最初はちょっと退屈かな~と思っていたけど、
会場内に再現されたバラガンの空間を歩き、
バラガン作品を紹介する映像を眺めていたら、とても心地よくなってきました。


建築はその機能以上にボリュームが与えるマッス(量感)により
感動与えることが大切...らしい。



ここは会期中何度も入場できるフリーチケットがウレシイ。
しかし25才以上はたとえ大学生でも一般料金になってしまうのが残念。
25才でも貧乏学生には変わりないのに!


2階から4階の3フロアが会場なのですが、そんなに広くない上に
今回は空間展示がメインなので、見るものはさほど多くないのですが、
映像が40分くらいあるのでやはり1時間では時間が足らず。

また図録がまだ準備されてなく、11月頃出来上がる予定とか。
価格は二千円ほど。
バラガン関連の作品集はどれも高いので、この図録はぜひとも手に入れたいところ。

...また来よう。


バラガン邸の空間だけではさすがに物足りない、ということで
映像が流れているわけですが、これがけっこう面白い。
10点ほどのバラガン作品が紹介されてます。

ネットで探してきたバラガン作品。


まずはバラガン自邸。

リビングルーム。

本展会場ではこの空間が再現されています。
大きなスクエアの中を横切る十字架が良い雰囲気を醸し出しています。
安藤忠雄の光の十字架にも似ている気もする。
安藤忠雄はここからインスピレーションを得たのだろうか。


書斎からゲストルームへ上る階段。

ホール。


高速道路の中央分離帯に置かれたサテライト・タワー。

彫刻家マティアス・ゲーリッツとの共同作業。
色とりどりのタワーのマッスが不思議な雰囲気を醸し出す。


ロス・クルベスの噴水。


サン・クリストバル厩舎の噴水。

ピンク・ウォールの中の水平樋から水がしぶきを上げて落ちているだけなのに、
こんなにも心に焼き付くのはなぜだろう...


ヒラルディ邸。

バリバリの原色系の組み合わせなのにどぎつくなく、
調和を感じるのはなぜだろう...


こうしてみるとマッスが空間に与える影響がいかに大きいかが分かる。
もっともバラガンだからこそここまで大きい影響力とすることが
できるのかもしれないけど、マッスの可能性を教えてくれるものでもある。


そういえば部屋の中に銀色の球のオブジェが置いてあるのですが、
あれはどういう意図なのだろう。
不思議と部屋の雰囲気にマッチしていてとっても良いのだけど。


さて、もう1、2回は足を運んでバラガンの空間を堪能したいと思います。


ブルーノ・タウト展以来久々だったので、
会場の場所がよく分からず表参道まで歩いてしまいました。

途中やたらと艶めかしいピンキーなディスプレイに遭遇。
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ファッションメーカー、ワールドの青山オフィスらしい。


奥には怪しげなソファが。
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今思えばこのピンク、バラガンへの布石だったのかも。


青山通りをベルコモンまで戻ると、これまた艶めかしいマネキンが。
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閉館1時間前にようやく到着。
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