不都合な真実【アル・ゴア】

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ようやく映画を観てきました。六本木ヴァージンシネマ。
通常3,000円するPREMIERスクリーンで通常学生料金1,500円で観れました。
社会派映画ということで重宝されているのでしょうか。
結構なロングランだし。
とはいっても平日朝ということもあって映画館はがらがら。

人影もほとんどない静かな劇場とリクライニングするゆったりしたシート。
なんてゴージャスな映画鑑賞。

映画の内容もそんな充実した鑑賞環境に十分見合った素晴らしいものでした。

地球温暖化に警鐘を鳴らすアル・ゴア米元副大統領のドキュメンタリー。

この映画を薦めてくれたのは美大のデザインの先生でした。
なぜデザインの先生が環境ドキュメンタリーを薦めたのだろう?
最初はそう思いました。


僕は正直政治不信です。
政治家なんて誰もが私腹を肥やそうとしている汚い連中ばかり。
「不都合な真実」なるものはけして世間に公表しない。
それを盲信しているわけでもないですが、選挙なるものには
一度も参加したことはない。

だからアル・ゴアに対しても最初は懐疑的でした。

しかし。
世の中には政治を世の中を良くするために利用しようとしている
政治家もいるんだなって思えた。

そりゃ大統領を目指すほどの人間には野心もあったでしょう。
しかしただ野心だけで千回以上も世界各地で講演したりできるだろうか。
この映画はその講演の様子、講演で使われるスライドを中心に
いかに今地球が危機にあるか、をあらゆるデータで説いています。


その巨大さゆえに自分たちの所業が
地球を危機に追い込んでいることに気づかない。
地球に比べればアリのような人間の存在が地球に影響を及ぼすはずがない、
という思い込み。

  「災いを引き起こすのは、"知らないこと"ではない。
   "知らないのに知っていると思い込んでいること"である」
   by マーク・トウェイン


アル・ゴアはその"思い込み"を解くために世界各地を飛び回っている。
世界中の氷が解けている事実。
ここ二、三十年の世界中の二酸化炭素濃度がこの65万年の間で
例を見ないほどに急上昇している事実。
このままいけば世界中の海の水位が6m上昇し、
世界中で1億人の難民であふれることになる事実。


大切なのはそれが真実かどうかではなく、
真実だと信じきれるかどうか。
いつまでも自分が政治不信でいることが自分にとっても、
周囲にとっても、社会にとってもいいことだとは思わない。
アル・ゴアは信じるきっかけを僕に与えてくれた。
彼を信じてみるのも悪くないかもしれない。


次の世代が安心して幸せに暮らせる場所を。
それが今を生きる僕たちがやらなければならないこと。
そのための第一歩としてまずできることはこのドキュメンタリーの宣伝。

いまさらですが。
この映画を観てください。
本を読んでください。

「あたりまえの明日」などけしてないことを実感してください。
かけがえのない明日を迎えるために「不都合な真実」に目を向けてください。


今ならデザインの先生がこの映画を薦めてくれた理由が分かる気がします。