The House Book ハウス・ブック【海外編2】

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The House Book

The Garden Bookと同じくPHAIDONからの出版で
世界中から選りすぐりの500のステキな家が収録された本。
2005年3月第1刷発行。

本書中の500の家の中から、お気に入りを独断と偏見で百選、海外編その2。

海外編その1

ステキな家屋にステキな庭園。
晩年はこんなところで過ごしたいものです。
実際に住めるかどうかはともかくまず、晩年までに、
「自分が住みたいのはこんなところなんだ」というはっきりとした
イメージをもっていられるようにしたい。

そのためにはいろんな家を見なくちゃね。


マイ・ピックアップ百選その2。

※画像はネットから拾ってきたもので、本書中の写真とは必ずしも一致しません。
※番号は建てた人(設計した人)の名字順です。(お気に入り順ではありません)
※1.〜37.は【こちら


【海外編その2】

38.アドルフ・ロースーシュタイナー邸(オーストリア、1910年)

「装飾は罪悪である」というほどの厳格なモダニスト。
ただ、この家を建てた時点ではまだ装飾を越えることはできていなかったようだ。
建てた当初は斬新だったかもしれないが、悠久の時は容赦なく一時的な表面性をなぎ払う。


39.ルートヴィヒ2世ーノイシュヴァンシュタイン城(ドイツ、1868−86年)

前述のロースの建築とは対極的な装飾過多な城。
政治的・軍事的な必要にかられてではなく、
ルートヴィヒ2世のロマンティック趣味により建てられた城は、
伝統的な石造りではなく鉄骨組みのコンクリート及びモルタル製で、
家としての機能性は決して高いとはいえないものの、
ただ美しい、というだけで圧倒的な存在感を発している。


40.チャールズ・レニー・マッキントッシューヒル・ハウス(イギリス、1902−03年)

この家の寝室に置かれているハイバックチェアが有名。


41.リチャード・マイヤーーダグラス邸(アメリカ、1971−73年)

眼下にミシガン湖を見下ろす断崖に建つ住宅。


42.エーリヒ・メンデルゾーンーメンデルゾーン邸(ドイツ、1929−30年)

アインシュタイン塔に比べると地味だなあ。


43.ミース・ファン・デル・ローエーファンズワース邸(アメリカ、1946−50年)

美しい住宅とは裏腹に施主と繰り広げたドロドロ愛憎劇。


44.ウィリアム・モリスーケルムスコット・マナー(イギリス、1570年、1871年改築)

「The Garden Book」にもピックアップされているモリスの邸宅。


45.ナスル朝ーアルハンブラ宮殿(スペイン、1334−91年)

スペインに屈服させられたイスラム教徒の宮殿。


46.オスカー・ニーマイヤーーカノアス邸(ブラジル、1953−54年)

こういう家に住むことが長生きの秘訣なのかな。


47.フライ・オットーーヴァームブロンのアトリエ(ドイツ、1969年)


48.オーギュスト・ペレーシャナ・オルロフ邸兼アトリエ(フランス、1926−29年)

「コンクリートの父」が作った女性彫刻家の邸宅兼アトリエ。
コンクリート感を感じさせないところがペレの工夫なんだろうか。


49.シャルロット・ペリアンーメリベル・レザリューの山小屋(フランス、1960−63年)

コルビュジエ建築の家具デザインを担当した女性デザイナー。
日本への造詣の深さが床に敷かれた畳から伺えます。


50.エドワード・ポッターーマーク・トウェイン邸(アメリカ、1874年)

「トム・ソーヤーの冒険」を書いた作家の邸宅。


51.ジャン・プルーヴェープロトタイプ・ハウス(フランス、1956年)

建築の工業化に大きく貢献した建設家(constructeur)。


52.ラファエロ・サンティーヴィラ・マダマ(イタリア、1516年頃)

ルネサンスの巨匠・ラファエロが設計したメディチ家の静養所。


53.トーマス・リートフェルトーシュレーダー邸(オランダ、1924年)


54.リチャード・ロジャースーロジャース邸(イギリス、1968−69年)


55.アルド・ロッシーポコノ・パインズ・ハウス(アメリカ、1988年)


56.エーロ・サーリネンーJ・アーウィンとジーニア・ミラーの自邸(アメリカ、1953−57年)


57.カルロ・スカルパーオットレンギ邸(イタリア、1974−78年)

建築の詩人らしい、雅趣に富んだ空間。


58.ルドルフ・シンドラーーキングスロードのスタジオ(アメリカ、1921−22年)

隈研吾の「負ける建築」の中で民主主義であるがゆえに「失敗した建築家」とされたシンドラー。
オットー・ワーグナーの弟子であり、ライトの事務所で働いたこともある男は、
いかように失敗しているのだろう。


59.カール・フリードリッヒ・シンケルーシャルロッテンホーフ宮殿(ドイツ、1826−33年)

ミースも影響を受けたという建築家。


60.アルヴァロ・シザーアルチノ・カルドサ邸(ポルトガル、1964−68年)


61.フィリップ・スタルクートロワスイスのキットハウス(1993年)

スタルクが家具メーカー・トロワスイス (3 SUISSES)と組んで作ったハウスキット。
先鋭的なプロダクトデザイナーらしからぬ外観ではあるものの、
「ハウスキット」というコンセプトそのものはやはり奇抜で彼らしいのかな。


62.ルイス・サリヴァンーブラッドレー邸(アメリカ、1910年)

巨匠フランク・ロイド・ライトが若かりし頃師事した建築家。
シカゴ派の代表的な建築家。


63.トバ・バタクールマ・ゴルガ(インドネシア、)

インドネシアの部落民トバ・バタクによる舟のような家。


64.UNスタジオーメビウス・ハウス(オランダ、1998年)

メビウスの輪がモチーフの家。
「ガラスとコンクリートが絶え間なく相互に作用しており、
 内装と外装、構造と区割りの間を継ぎ目なく行き来している。」


65.ジョルジオ・ヴァザーリージュリア邸(イタリア、1551−55年)

画家であり、建築家でもあり、「芸術家列伝」を著した研究者でもあった。


66.アンリ・ヴァン・デ・ヴェルデーブルーメンヴェルフ邸(ベルギー、1895年)

ベルギーにおけるアール・ヌーヴォーの第一人者であると同時に、
アール・ヌーヴォーからモダンデザインへの展開を促した人物でもある。
ドイツ工作連盟の中心メンバーとして活躍するも急速に規格化するデザインに反発した。


67.ロバート・ヴェンチューリーヴァンナ・ヴェンチューリ邸(アメリカ、1959−64年)

ヴェンチューリが若かりし頃、母のためのに建てた家。
ポストモダンを牽引した建築家も若かりし頃はモダニズムの影響が垣間見える。


68.ヴィオレ=ル=デュクー「Dictionnaire raisonne」からの家(1868年出版)

日本語では「建築講話」と約される建築理論集。
その理論はよくわからないけど精緻なパースに圧倒される。


69.オットー・ワーグナーーワーグナー邸その2(オーストリア、1912−13年)

ウィーン郵便貯金局で有名なワーグナー。
ウィーン分離派の中心人物で、オーストリアにおける建築の近代化に貢献した。


70.ジョージ・ワシントンーマウント・ヴァーノン(アメリカ、1757−87年)

アメリカ合衆国初代大統領の愛した家。
「The Garden Book」でもピックアップされています。


71.フィリップ・ウェブー赤い家(レッドハウス、イギリス、1858−59年)

ウィリアム・モリスがジェインとの結婚を機に友人の建築家ウェブに設計を依頼。


72.フランク・ロイド・ライトー落水荘(アメリカ、1935−39年)
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(出典:Wikipedia)

「The Garden Book」でもピックアップされているライトの落水荘。


73.ピーター・ズントーーグガルン邸(スイス、1990−94年)

傾斜地にめり込む家。


【国内】
1.安藤忠雄ーコシノ邸
2.東孝光ー塔の家
3.坂茂ーカーテンウォールの家
4.藤森照信&大島信道ーニラ・ハウス
5.原広司ー伊東邸
6.長谷川逸子ー練馬の家
7.堀口捨己ー岡田邸
8.石井和紘ー数寄屋
9.石川数正&康長ー松本城
10.石山修武ーファンタジー・ヴィラ
11.伊東豊雄ーホワイトU
12.菊竹清訓ースカイハウス
13.岸和郎ー日本橋の家
14.岸上克康ー今里の家
15.小川晋一ーキュビストの家
16.岡田哲史&富山理佐ーVilla-Manbow
17.アントニン・レーモンドー雲南坂の自邸
18.妹島和世ー森の中の別邸
19.篠原一男ー白い家
20.白川郷の農民ー合掌造りの農家
21.徳川頼宣ー臨春閣
22.智仁親王ー桂離宮
23.牛田英作&キャサリン・フィンドレーーソフトアンドヘアリーハウス
24.山田守ー山田守自邸
25.山下和正ー顔の家
26.葉祥栄ー海と空の間のもう一つのガラスの家
27.吉村順三ー軽井沢の山荘