SPACE FOR YOUR FUTURE【MOT】

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東京都現代美術館へ「SPACE FOR FUTURE」展を見にいきました。

ホントは12日のnendoの佐藤オオキさんのトークイベントのときに
行くつもりだったけどなんか中止になり、
本展終了間際のぎりぎりになってしまいました。

大学のテスト前日だったけど、モチベーションを上げる、という意味では
良いスイッチになりました。


インスタレーション系が多く、自分の感覚を試す展覧会だったような気がします。


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正直インスタレーションは苦手でした。
NYのホイットニー美術館をはじめインスタレーション系の展示を観たときは、
不快感を感じることのほうが多かった。

でも今回は全ての作品とまではいかないまでも楽しめた。
今回のインスタレーション作品の出来がとくに良かったのか。
単にインスタレーション作品に慣れてきただけなのか。
それはよく分からない。

インスタレーションがなにか、ということが分かってない現状で
インスタレーションの良し悪しを僕がどうこう言ってもしょうがない。
ただ人間として好き嫌いは言うことが出来るはず。
それでいいんじゃないか。

...そう思ったら楽しめた。
結局それがインスタレーションを楽しむコツとでもいうのではないだろうか。
単純に気に入ったものは受け入れ、
そうでないものはそうでないことを受け入れる。
そうやって自分の感覚を磨くと同時にその指向性を把握する。


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さて、今回の展示で一番気に入ったのはやはり「仕事の流儀」でも
紹介されていた石上純也氏の「四角い風船」。
「大は小かねる」とはよくいったもので、ビルの4階建て相当の巨大な
ねじれた直方体が浮いている様はまさに圧巻。

微妙に直方体が揺れているリズムがすごく心地よい。
なんか晴れた空に浮かぶ雲が流れるさまをぼーっと眺めている気分。
そんな感じで長い間ぼーっと見惚れていました。

そのほか良かったのは...

オラファー・エリアソンの「四連のサンクッカー・ランプ」。
...宇宙感覚にひたれる、みたいな。
...宇宙に行ったことないけど。

デマーカスファンの「レース・フェンス」と「シンデレラ・テーブル」。
...なんかよく分からないけどスゴイ存在感。
とくにシンデレラ・テーブルはあの造形にぐいぐい惹き込まれる。

蜷川実花のmy room。
...あの色使いが好き。実は彼女の作品をじっくり見たのははじめて。
けっこう好きかも。

パトリック・トゥットフオーコの「長距離走者」。
...中国、インドの旅の映像が3つの円形ディスプレイに映し出されている。
映像の内容より「円形」というディスプレイの形状が新鮮だった。
多分プロジェクタに特殊な細工がしてあるんだろうけど。
通常、映像が映し出される面といえば普通は四角い長方形を想定するから。
そう考えると丸いレンズから投影される映像が四角いのはなぜだろ?
...って考えちゃう。
科学的にはどうかは分からないけど人間の網膜に映る像も意識的には
その面は四角い平面のような気がするなあ。
人間と違う感覚だからこの作品に違和感感じるのかな。
あたかも室内の丸窓から外の風景を眺めているような気になる。

バーバラ・フィッセルの「俳優と詐欺師」。
背中合わせに配置されたスクリーンに同じ俳優が
...それぞれ「俳優」と「虚言壁症患者」を演じている。
同じ男が同時に違う人物を背中合わせに演じている奇妙さになんか見入ってしまった。
従来ならなんか不快感を催しそうな作品だったけど、今回はずーっとみてた。

アピチャッポン・ウィーラセタクンの「エメラルド」。
...バンコクのホテル内にゆったり舞う無数の羽毛。
時間が止まっている感覚に思わず自分も止まってしまう。

ショーン・グラッドウェルの「2つのフレームのラインワーク」ほか。
...自転車に地面に向けて取り付けたビデオカメラからの映像。
壁に映しだされたものはなんてことないけど、
スクリーンを地面にした途端、実際の走行の臨場感、スピード感が出て面白い。
...もう一つはスケボーで滑る様子をスローモーションで映しだされてる。
流れるように、踊るように、舞うように滑る姿が美しい。
思わずスケボーがやりたくなりました。...スケボーはしたことないけど。


不満だったのはエルネスト・ネトの「フィトヒューマノイド」が体験できなかったこと。
会場にはそれらしきものが置いてあったような気がするけど、
一見して汚く見えて、係りの人も積極的に薦めるわけでもなく、
ぶすっとした表情で座っていて声かけづらい状況だった。
なんかやな感じ~...

あと会場外の水のプロムナードにあったダイキンのエア・デザイン・プロジェクト。
作品自体は面白いのだけど、そばにあった小冊子の入った透明のプラ・ボックス。
「空気をデザインする」という趣旨は分かるけどエコという観点から考えると
やはり無駄に思えてしまうのは僕だけでしょうか...


でもまあ全体的には想像以上に楽しめました。
正直行こうか迷ってたけど行ってよかった。


2時間たっぷり観賞して会場を出て、ショップで
図録サンプルの前に山積みされていた「美術手帖」という雑誌を購入。

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税抜き価格2700円の図録は売り切れで2月入荷予定。
予約を受け付けてたけど、動きを観賞したり、静物でも多方向から観賞する作品が
多かった今回は高い図録を買うまでもなかろうと。
今回の展覧会の特集も組まれてたし他にも面白そうな記事もあったし。


続けて同じチケットで常設展も見れる、ということで見てきました。

今回は「POP道」と名づけて
ポップアート作品が多く展示されていました。

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[柳幸典『ニノマル・コンテナー(ヤマトTUMULUS TYPE ¥)]

前回とかぶる作品もいくつかありましたが、それなりに面白かった。

前回男鹿和雄展のとき見た岡本太郎の「明日の神話」もまだ展示してました。
相変わらずデカイ。

正直ポップアートはちょっと苦手だったけど、今回は楽しめた気がします。


こちらは30分ほど、トータルで3時間ほどいました。
いやー、満足、満足。