レオナルド・ダ・ヴィンチ -天才の実像【東京国立博物館】

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[図録 2000円]


GW後半初日。

ダ・ヴィンチ展を観に上野の東京国立博物館へ。
ダ・ヴィンチ展は以前森アーツセンターギャラリーでやってたのを観にいったので
今回はパスしようかなと思っていたのですが
大学の授業で『受胎告知』を観てやっぱり本物を見てみたい、と。


まずは入口でチケットを買う。
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学生料金+Web割引で1,100円で入ろうと思ったら、
なんとここも多摩美はキャンパスメンバーになっていて、
学生証を提示するだけで1,000円で入れました~!
ラッキー!


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会場は本館の第1会場と平成館の第2会場の二会場で構成。

まずは本館の第1会場へ。
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ここは『受胎告知』一点展示のみ。
会場入場前には金属探知を使った手荷物&ボディチェック。
そしてたくさんの人。
よっぽど貴重な作品なんだねえ...

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【レオナルド・ダ・ヴィンチ「受胎告知」】(出典:Wikipedia)

作品のイメージは授業ですでに観ていたのですが
やはり本物は違いますね。
迫力というか、なんというか。

...うーん、まだまだ表現力が乏しいのが悲しい。

この絵にはダ・ヴィンチのあらゆる天才性が詰まっているわけですが、
この時点では授業で教わったルネサンス期の遠近法が本格的に
使われている、程度の予備知識しかなくて。

この絵を堪能するなら先に第二会場でダ・ヴィンチのあらゆる偉業の数々を
鑑賞してからをオススメします。


...とまあこの絵の真価もよく把握しないまま第一会場をあとにして第二会場へ。
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およそ10分で観終わった第一会場とうって変わってこっちはボリュームたっぷり。

前回の森美術感で展示していたのはレスター手稿がメインですが
こちらは作品としては『受胎告知』のみ。
あとは高精度のデジカメプリントと
いくつもの手稿、史料に基づいて作成された模型や映像などで
ダ・ヴィンチの数々の偉業が紹介されています。

美術展示というよりはもう科学展示を観ている、といったほうが
いいのかもしれません。

会場は6つのセクションで構成。

 Ⅰ.レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯
   絵画作品を中心とした年表を辿りながらレオナルドの生涯をたどります。
   《受胎告知》《東方三博士の礼拝》《キリストの洗礼》の三点が
   日立の高精細度デジタルプリントで原寸大複製。

 Ⅱ.《受胎告知》-思索の原点
   受胎告知の分析。

 ■映像シアター
  Ⅱ-Ⅲの間に映像シアターがあって3本の映像解説。
  ・《東方三博士の礼拝》再見-絵の背後にあるもの
  ・レオナルドの巨像 スフォルツァ騎馬像の挑戦
  ・海沿いの山-レオナルドの《受胎告知》
 
  天才の考えたことを凡人の僕が理解するのはなかなか難しいわけで。
  こうした映像解説はとても助かります。
  「受胎告知」は正面からではなく、絵に向かって右斜めから
  鑑賞したときに一番良く見えるように描かれていたんですね~
  遠近法と黄金比の組み合わせによる描画方法も面白かった。

 Ⅲ.レオナルドの書斎
   あらゆる分野にその才能を発揮していたレオナルド。
   しかしその天才もゼロから生まれたわけではない。
   膨大な資料から、先人の教えに学ぶことも多くあったようです。
   その先人の資料とそこから生まれた道具などを紹介。
   楕円を描くコンパスや放物曲線を描くコンパスなどが面白かったなー。
   現代版の文具として売られてないのかなあ。
   あると便利だと思うのだけど。

 Ⅳ.「かたち」のとらえ方
   数学者としての側面が垣間見られるコーナー。
   人体の各部分の構成比率を幾何学的に説明しているのが興味深かった。
   数学の苦手な僕もついつい引き込まれてしまいました。

 Ⅴ.万物の「運動」
   物理学者としての側面ですか。
   物理は苦手なのでちょっとちんぷんかんぷんになりながらさらっと。

 Ⅵ.絵画への結実
   さまざまな分野に追求を重ねながらもやはりそれらの最上位に
   あるのは絵画だと考えていたレオナルド。
   とうわけで最後の締めくくりはやはり絵画関係で。


絵画と数々の科学的なデータが違和感なく融合しているさまは
まさに今僕が勉強しているデザインに通ずるものがあるように感じました。


夕方5時に入場して結局閉館時間の夜8時までみっちり3時間観ちゃいました。
最後にショップで二千円の図録を迷わず購入。

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高精細度のデジタルプリントレプリカも売られていましたが
やはりとても高額なので観るだけ。


いやー、ダ・ヴィンチやっぱ面白い。