佐川美術館【滋賀県守山市】

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佐川美術館へ行ってきました。


昨年2月末に新日曜美術館で見て以来、
実に1年ぶりにようやく願いが叶ったわけで。


佐川美術館は佐川急便が運営する美術館で1998年に開館。
滋賀県守山駅からバスで25分程のところにあります。
設計・施工は竹中工務店。

画家の平山郁夫氏、彫刻家の佐藤忠良氏の作品を中心に展示してましたが、
2007年に陶芸家の楽吉左右衛門氏の作品を展示する
樂吉左衞門館が新設されました。


常設展は入場料600円(学生料金)で
平山郁夫館、佐藤忠良館、楽吉左右衛門館全てのスペースの閲覧が可能。
楽吉左右衛門館の茶室は別途300円で見学可能。

写真撮影は平山郁夫館、佐藤忠良館、楽吉左右衛門館の展示スペースは
NGですが、パブリックスペースはOK。
1998年にグッドデザイン賞受賞(施設部門)した建物は
楽吉左右衛門館のみならず必見の価値ありです。


シンプルな線で開放感たっぷり。

好きです、こういうの。


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エントランスゲート。
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エントランスゲートを入ると、現れる巨大な切妻屋根。
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手前の平山郁夫館。
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奥側の佐藤忠良館。
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屋根部アップ。
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平山郁夫館の右側廊を通ってエントランスへ。
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エントランスホール。
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平山郁夫展示室入口。
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シルクロードの風景、仏像を中心に展示してました。

けっこう好きかも。

実は同郷の画家で、瀬戸内海のしまなみ海道途中の広島県生口島に
平山郁夫美術館があります。
一度通りがかったことがあるのですが、そのときはスルーしてしまいました。
今思えば行っておけば良かった。


続いて佐藤忠良。


外の池に浮かぶ鹿。
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エントランス前の銅像。
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展示場入口。
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公共スペースにもたくさん作品が置いてあり、
展示場も一部ガラス張りで公共スペースから見えるようになっています。


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佐藤忠良館にはミュージアムショップもあります。

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楽吉左右衛門館の図録と平山郁夫展の図録を購入。


最後に一番のお目当て楽吉左右衛門館。

まずは外観。

前側。
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夏は草が屋根の高さほどにもなるそうなのですが、
冬は枯れ草を刈り込んだばかりということでご覧のようにすっきり。
ある意味貴重な風景なのかも。


アップで見ると茶室「俯仰軒」が見えます。
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外から中をのぞくと、ガラスの映り込みが見えるのですが、
茶室の中から外を眺めると、まるでそこにガラスなどないかのように
思えるほどクリアな視界が開けます。
特殊なガラスを使って限りなく高い透明度を実現しているそうです。


円筒形の水露地。
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露地空間は茶室見学時に見ることができます。
撮影できないのが残念。


外観後側。
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湖を望む東屋「望湖亭」。
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いざ、中へ。
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楽吉左右衛門館へと続く地下への階段。
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まず現れる茶室入り口。
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ここには茶室見学者しか入れません。


楽吉左右衛門氏自筆の「守破離」。
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階段をさらに下ると現れる吉左右衛門館のエントランスホール。
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エントランスホールの片側は立礼などが行われる場になってるようです。
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反対側の壁には天井から自然光でトップライトが取り込まれてます。
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黒コンクリへの光の照射が美しい。


茶室は吉左右衛門氏の並々ならぬ工夫が随所に取り込まれています。

古来からの和紙と現代的な材料であるアクリルを組み合わせて作った採光窓、
外の風景が止まっているときは見えず、
移動することで見えるように工夫された格子窓、
敷居を設けず上から吊された障子戸、
インドネシアから探してきたという床の間の板...

ただ僕にはちょっと作為的過ぎるきらいがある気がしました。
とても素晴らしいと思う反面、ちょっと自然さに欠ける気がしなくもない。
無学無知ゆえの浅はかな考えなのかもしれないけど。

柳宗悦が楽焼を批判した気持ちが少し分かったような気がします。


午後2時に到着して、結局閉館の5時までまるまる3時間、
たっぷり堪能してしまいました。


バス停で帰りのバスを待つ。
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ふと遠くを見ると、雲が低い。

もしかすると...と歩くこと5分。

やっぱり琵琶湖でした。
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遠くに見えるのは琵琶湖大橋でしょうか。


滋賀県にはもう一つ行きたい美術館として、
I.M.Pei設計のMIHO MUSEUMがあります。

佐川美術館からもそう遠くないようなのですが、こちらは冬の間は休館で、
次に開くのは3/14から。


...次回の楽しみにとっておきたいと思います。


【information】

アクセス:JR東海道本線(琵琶湖線)守山駅下車、近江鉄道バスまたはタクシーにて約30分

開館時間:9時30分~17時(最終入館は16時30分迄)

休館日:毎週月曜日(祝日に当たる場合はその翌日)・年末年始

入館料:一般1000円、高校生・大学生600円、中学生以下無料(要保護者同伴)