夏草や 兵どもが 夢のあと 芭蕉
平泉に行ってきました。
平泉は大きく分ければ、駅から近い毛越寺エリアと、
駅からはちょっと離れている中尊寺エリアとに分かれます。
というわけで、まずは毛越寺エリアからレポート。
毛越寺エリアの現在はまさに芭蕉の句のごとし。
変に当時の在世を全再現するのではなく、
兵どもが失った「夢の跡」が忠実に再現されているのかな。
遺跡の正しい残り方ってこういうのではないだろうか。
[芭蕉「夏草や兵どもが夢の跡」の句碑]
毛越寺エリアへは平泉駅から直進することおよそ10分。
毛越寺に入る前に、その隣にある旧観自在王院庭園へ。
奥州藤原氏二代基衡の妻が建立した寺院だそうです。
毛越寺よりも「夢の跡」の度合いが強く、
ほとんど建物らしきものは残っていません。
見学は無料で囲いもほとんどなく、一般の景色に溶けこんでいます。
見学者も自分以外には誰もいませんでした。
まさに夢の跡。
長い年月に顔も崩れ、全身苔生すお地蔵様。
唯一建物らしき祠。
続いて毛越寺へ。
こちらは入場料500円。
毛越寺は開山は慈覚大師円仁、建立は奥州藤原氏二代基衡の天台宗のお寺。
国を代表する平安時代の浄土庭園を有しています。
池泉廻遊式庭園で大泉が池の周りを時計回りで進んでいきます。
以下順路に沿って紹介していきます。
[入口の山門]
入場門を直進するとまず大きな本堂があります。
その右手に広大な大泉が池が広がっています。
水面の鏡は池泉庭園の魅力の1つですよね。
池面に浮か竜船。
当時はこの竜舟を浮かべて遊興に耽っていたんでしょうね。
本堂の横を通ると...
すでに紅葉がはじまっているようでした。
しかしまだ残暑の緑もキレイ。
開山堂。
慈覚大師円仁を祀るお堂だそうです。
遣水(やりみず)。
平安時代の遺構としては唯一のものだそうです。
平安時代にはこの遣水に盃を浮かべ、流れ来る間に和歌を詠み、終わって盃を戴く、
という「曲水の宴」が盛んに行われたそうです。
常行堂。
本尊は宝冠阿弥陀如来、奥殿には秘仏摩多羅神が祀られています。
州浜。
出島石組と池中立石。
荒磯の風情を表現。
静寂の世界にある「動」の部分。
前期に受講した「造園学」での学習成果が生きたような気がします。
もっと日本庭園の魅力を学びたいと思いました。
続いて中尊寺エリアへ。
【information】オフィシャルサイト
アクセス:JR平泉駅より徒歩7分
毛越寺拝観時間:午前8時30分~午後5時(11月5日~4月4日は午前8時30分~午後4時30分)
毛越寺拝観料:大人500円、高校生300円、小中学生100円