竹取物語

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※この物語にかぐや姫は登場しません。あしからず。


むかーしむかーし...ではなく、今からおよそ7ヶ月前、
遊子川の地へ都会から一人のおっさんがやってきました。
過疎化の進む遊子川を再び元気にするために。

おっさんは都会でエンジニアをしておりましたが、
エンジニアの仕事に本分を感じることができず、
考えた挙句に、もう一度学校で学び直すことにしました。
そこで「自分がやりたいこと」を見つけたおっさんは、
それを実践できる場所を求めて都会を飛び出たのです。

これまで「地域おこし」はおろか、地域についてすら考えることのなかったおっさんです。
遊子川に来てからの日々は大学以上に「学ぶ」日々でした。

おっさんの専門は「デザイン」。
対象の魅力を見出し、それを伝えたい相手に分かりやすいカタチにすること。
最初はその専門分野が田舎の地で役に立つのかどうか不安なおっさんでしたが、
7ヶ月が経過した今、デザインは田舎の地でも必要であることを実感するおっさんでした。

この歳で出会うものがすべてが新しい、という経験ができることに幸運を感じるおっさんでした。


...閑話休題。


遊子川では12月のこの時期、お爺ちゃんお婆ちゃん、お父さんお母さん、
そして子どもたちの三世代が集ってミニ門松作りを行います。
「ふれあい三世代の集い」という行事です。


世代から世代へと語り継ぐべきものがある。
良いものは語り継がれてゆくべきである。
伝統とは、残すべき良いものたちの集まりである。

伝統の伝承にデザインの入り込む余地がある。


ある日、おっさんとおじーさんは、山へ竹を取りに行きました。
新しい年を迎えるための門松を作るために。

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直径15センチもの大きい竹は門松の土台に、
直径5センチほどの小さい竹をその土台に立てる竹にするのです。

道無き道を登り、チェーンソーで大きい竹を切り倒し、
ノコギリで小さい竹を切り出します。

いやー、結構な力作業。


切り出した竹をバンドソーでカッティング。

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そしてみんなで土台に松竹梅を立て、飾り付け。

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無事完成。

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子どもたちも自分たちが作った門松を手に記念撮影。

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おっさんも一つ、つくらせてもらいました。

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玄関に飾り、無事正月を迎える準備ができました。

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...あ、大掃除がまだ残っているな。