僕の経験では、文化祭は学校だけがやるもんだ、という認識があった。
だけどこの辺では地域で文化祭をやる。
高松でもやってたから四国全部で、もしかしたら全国でもやってるとこはやっているのかも。
単に僕の意識があまりにも地域に向いてなかったのかもしれない。
...遊子川に来るまでは。
大局を見過ぎると細部にまで目が届かなくなる。
世界が広いことをあまりに意識しすぎると、
飛ぶことにばかり気をとられ、地に足をつけて立つことを忘れがちになる。
グローバリゼーションは大事だ。
しかし、ローカリゼーションはもっと大事だ。
...というより自分が立つ大地を知ってこそ、天を仰ぐことができる。
遊子川のある城川町の文化祭、「奥伊予ふるさと祭り」に行ってきました。
土日での開催だったのだけど、金曜日は松山でのプレゼンでくたびれて、
土曜は一日ぐったりしてて、日曜日にようやく重い腰を上げる。
...なかなか興味深かった。
地域おこしというと、とかく経済復興にばかり目が行くけれど、
文化復興も重要なファクターだと僕は思う。
たぶん、僕は文化復興がしたいんだ。
生きていくために田舎で経済的に身を立てることを考えなければならないけど、
目指すべきゴールは文化復興なのだと思う。
その下地がこの地域にはある。
まずは一番見たかった間伐材伐採業をしている会社の展示へ。
ペレットストーブ。
燃料は1kg50円。これで1時間燃焼可能。
普通のストーブよりちょっと経済的なんだとか。
しかし、いかんせん本体のストーブがまだまだ高い。
普及にはまだ時間がかかりそう。
木工品の販売もしてました。
こういう会社との連携も木工普及のカギになるんだけどな。
支所ではジオパークの展示が。
僕がデザインしたロゴも使ってくれてました!
向かいの建物では婦人会による工芸品の展示。
やっぱりタネはあるんだな。
支所の裏にある民俗資料館。
お祭りだ、ということで無料開放。
...といっても入場料は100円だけど。
ただ、普段は常駐スタッフがいなくて、支所の人にお願いして開けてもらわなければならない、
という手間の煩わしさがありますが。
しかしここは面白い。
牛。
見事な鏝絵。
立派な鬼瓦。
古い家や神社やお寺を見てても思うのですが、
この辺りの工芸レベルはけっこう高い。
継承して現代風にアレンジすれば良い文化復興になると思うんだけどな。
遊子川の古地図。
二階へ上がって。
八つ鹿踊りの鹿たち。
収蔵品をきちんと整理して、見せ方を工夫すれば、
もっと文化のアピールができる気がする。
近くの神社でめずらしい鳥居を見つける。
木造であることもさることながら、鳥居に屋根があるのもめずらしい。
微妙にカーブを描いているのがことさら美しい。
ブルーノ・タウトをはじめて知ったとき、
彼の桂離宮の価値を再発掘した、という功績がイマイチよく理解できなかった。
でも今なら分かる気がする。
すべての人が価値あるものを認識できるわけではない。
それは能力云々以前の「視点」と「認識」の問題のような気がする。
経済復興は先行している3人の隊員に任せて、
僕は文化復興に取り組むかな。
それもありなんじゃないだろうか。
自分の得意なものを活かす。
それが正しい生き方なんじゃないだろうか。
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