木工先進地視察で東京に行くことになったので、
久々に母校・タマビへも顔を出そう、と恩師に連絡をとっていたら、
自分の自宅の一部を改装して整えたコミュニティスペース「シェア奥沢」にて、
今の僕の活動について報告することになりました。
日本には気軽に近隣住民が交流できるスペース「アゴラ(広場)」が少なすぎる。
公民館や市民プラザといった類のものがパブリックスペースとしての交流の場に
相当するわけですが、得てしてこういう場所は形式的な手続きが必要だったりして
「気軽に」交流するには今一歩だったりします。
シェア奥沢は古い民家をベースとしているので、
親しみやすく気軽に立ち寄ってフランクに会話がしやすい雰囲気となっています。
イベント運営費も参加者同士リーズナブルな価格でシェアし合う。
こうした「繋がりやすさ」が本音を引き出しあい、
新しく良いものが生まれる土壌となるのではないでしょうか。
タイトルは「田舎暮らしについて考える」。
僕は田舎暮らしのプロではありません。
都会からの移住してきておよそ3年という短い時間の中で、
まだ田舎に染まりきれていない今だからこそ見えるものをありのまま伝え、
聞き取り側で田舎暮らしについて感じ、考えてもらいたい。
それが今回のプレゼンの目的です。
参加者は主にシェア奥沢の常連さん(大学の恩師の知り合い)やタマビ在学生、卒業者、
そして僕の知り合い関係の方々が少々、といった感じ。
Facebookで事前にイベントフラグを立ち上げ、案内したところでは15人程度だったのですが、
フタを開けてみると、その倍の30人近くの人が来てくれました。
田舎暮らしに興味ある人がけっして少なくない、ということでしょうか。
はじめて会う方のほうが多かったですが、親しみやすい空間ということもあってか、
あまり緊張することもなく、自分の伝えたいことが伝えられました。
最初に自己紹介と自分が現在いる地域の説明をした後、
地域おこし協力隊という制度の説明や地元の地域づくり組織での活動を説明した後、
その中で自分ができること、やりたいことをアピールして実践していくまでを説明。
ユスモクもしっかりアピールしてきました。
最後にまとめ的なものを。
田舎での人のつながり方、都会での人のつながり方について話しました。
人間が重さのある「身体」を持つ以上、
物理的な距離によるつながりを無視することはできない。
食事や排泄という行為が好きだろうが嫌いだろうがせざるを得ないものであるように、
地域コミュニティもまず最初の原始的なコミュニティとしてあるべき、
ということをこの3年間の田舎暮らしで学びました。
最後に所感をつらつらと。
これらの想いも、概ね参加者のみなさん受け入れてくれたようでした。
いろんな人と知り合うことができました。
これも貴重な都市部との交流。
都会と田舎を結ぶ一端になればいいな。
今回はこのイベントに参加するだけでなく、宿泊所としても利用させていただきました。
僕はあまりコーヒーは飲まないのですが、ここのコーヒーは絶品。
恩師いわく、
「おいしいコーヒーが飲めるかどうかがその場所の文化のレベルをはかるものさしとなる」
とか。
文化は人の幸福度を上げるためにあるわけだし、
楽しく話すことは幸せの原点だと思えば、それもそうですね。
シェア奥沢は盛況で、毎日のようにイベントが実施されています。
滞在最終日には地元の人によるフラワーアレンジメント教室の準備が行われていました。
都会にせよ、田舎にせよ、自分たちがすむ地域についてしっかり考えていくこと。
それがまずは大事なのではないだろうか。
今いる場所が仮の場所だろうが、終の場所だろうがそんなことはあまり関係ない。
デジタル技術でどんなに世界が広がろうとも、結局最後は物理的な制約を受けるのだから。
過去に逆行するのではなく、太古より続いている永遠不変の原理を思い出すこと。
それが今の時代には求められているのではないでしょうか。
コメント