日曜日は遊子川地域活性化プロジェクト「遊子川もりあげ隊」の作業でした。
遊子川もりあげ隊には5つの部があるのですが、そのなかの一つ、
地域振興部による地区内の避難経路整備事業。
地域振興部は主に地域の安全を守る活動をしています。
遊子川は11の集落の集まりで、
それらの地区は中央の谷底を走る県道からツリー状で結ばれているわけですが、
中にはその県道を介さずに地区間を移動できる道があったりします。
というより、自動車のなかった時代、地区間の移動のための道は、
谷底ではなく、尾根伝いに築かれたそうです。
県道は自動車の普及と共にできた道であり、比較的新しい道なのです。
尾根伝いの道は昔ながらの山道であり、なかなか県道ほど整備されていません。
アスファルト舗装やガードレール・土塁はおろか、
コンクリが打ってあればまだいいほうで、その大部分は土が踏み固められた昔ながらの道。
左右には草木が生い茂り、ちょっと雨が降れば土砂が道端に落ちてきて、
自動車の走行の妨げになってしまいます。
山間部は海辺のような津波の危険はありませんが、
それとは別に土砂崩れによる別の危険があります。
渓谷地域である遊子川はとくにその危険が高く、地域の大半が危険地域に指定されています。
有事の際、谷底が必ずしも安全とは言えません。
もしかしたら逆に谷底のほうが危険なのかもしれない。
ツリー構造で幹である県道が麻痺するとその地域はアウトです。
その危険を少しでも回避するために昔ながらの道を避難経路として整備しておくことは、
地域の安全上とても大切なことなのです。
たまの休みの日曜日、決して楽とは言えない作業を黙々とこなすみんなの姿に、
遊子川もまだまだ捨てたもんじゃないな、と思えるのです。
作業前。
道路上に土砂が落ちてきていたり、支障木が道路上に覆いかぶさり、
このままでは自動車走行の妨げになってしまいます。
これらの障害物を取り除くのが今回の作業。
チェーンソーでバッサバッサ切る。
ノコでもギコギコ切る。
切った木を道の外にどける。
まだ道具の扱いになれない僕はこれが主な作業。
そして作業の様子を記録するカメラ係。
一年経って、地域の記録係としての役割が定着してきたようです。
これらの支障木を除去した後、ユンボで土砂の除去。
「ユンボ」って単語にもようやく慣れてきた今日この頃。
二台のダンプで土砂を運び出します。
作業後、キレイになった道路。
一年経って肉体作業も慣れてきたと思うのだけど、この日はコイツに苦しめられた。
風が吹けば花粉が舞うのが目視できた。
クシャミが止まらなかった。
イノシシの頭蓋骨。
痕跡はさんざん見たのだけど、実物を見るのははじめて。
やっぱり本当にいるんだ...
ヤマアジサイの芽。
これだけでヤマアジサイって分かっちゃうってやっぱり地元の人はスゴイ。
来シーズンこそは、良いヤマアジサイの写真を撮ろう。
花粉は恨めしいけど、やっぱり山ってイイ。森ってイイ。
作業後は例によって慰労会。
正直、最初はこの慰労会に出るのがけっこうツラかった。
酒が飲めない上に、共通の話題がなく、なかなか酒宴での会話も弾まなかった。
それでも酒宴の席も遊子川を知る良い機会だと信じ、できるだけ出席するようにした。
酒が飲めなくても、話が弾まなくても、できるだけ最後まで残り、
後片付けもできるだけ手伝った。
気づけば、酒宴を楽しんでいる自分がいた。
仕方なくする我慢と、その先に見える希望を信じてする我慢。
前者の行き着く先は破綻であり、後者は創造である。
この日、創造の一端が見えた気がした。
これからも頑張ろうっと。
これからも楽しもうっと。
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