移住・交流学習会

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愛媛ふるさと暮らし応援センター主催の移住・交流学習会に行ってきました。

「愛媛ふるさと暮らし応援センター」とありますが、
そのスタッフはECPR(えひめ地域政策研究センター)の人でした。
どうやら兼任のようです。

東予・中予・南予の三地域別に「都会からの移住」「都会との交流」促進について
学ぶわけですが、今回は南予での開催に参加しました。
会場は宇和島の南予地方局。

参加者は20名ほどでしたが、そのうち西予市からの参加者はなんと8名。
移住・交流事業への関心の深さが伺えます。

まずはセンターの方から移住・交流事業の近況と展望について説明した後、
今治市の大三島での取り組み事例について報告、
最後に参加者で意見交換、という形でした。


地域づくりにもいろいろあって、移住・交流促進も重要な取り組みだと思います。
が、個人的にはまずは地域内での魅力探し、魅力づくりが土台として必要だとも思う。
魅力のないところへは住みたいとは思わないし、交流したいとも思わないわけで。
逆に地域の魅力とそのアピールの仕方が明快ならば、
自ずと移住・交流促進も加速すると思うのです。


地域づくりは難しい。
ただそれは、スキル的に難しい、というよりはその多面性ゆえに難しいのだと思います。
多面性に囚われ、あれもこれもしなきゃ、と躍起になって、
結局なにもできずに終わってしまう。
そしてやっぱり地域づくりは難しかった、と嘆く。

だったら、あえてどれか一つに「核」をしぼってそこに集中する。
とにかくシンプルにして地域づくりは難しい、というイメージを払拭する。
そういうやり方にチャレンジしてみる価値はあるのではないだろうか。

まあ、その「核」を絞るのが難しい、といえば難しいのですが。


今治大三島の事例紹介は、どちらかと言えば、移住促進でした。

個人的には、移住事業と交流事業は分けたほうがいい気がしました。
両者は似て非なるもののように思います。

そして地域おこし協力隊のように地域についての土地勘のない人間には、
移住促進業務は向かないように思います。
むしろ、交流促進業務のほうが適任かと。


リソースの少ない地域では多くの役を兼任せざるを得ない状況なのは分かるけれど、
やはり、適性を無視した仕事はいつか歪みを生じ、破綻をきたします。

移住受け入れ時に面接をして、「地域のルール」を守ってもらえる人だけ受け入れる、
というような話がありましたが、半分はなるほど、と思う反面、
もう半分ははたしてそれで本当にいいのだろうか、という疑問も感じる。


リソースの少ない田舎で、また自然に近い地域においては、
人々は寄り添って地域を維持していかなければ生きていけない状況を理解してもらうことは、
とても大切な事だと思います。

しかし一方で、個人の自由を犠牲にしてまで守らなければならない地域の秩序に、
明るい未来はあるのだろうか、とも思う。
時代の流れ、というものがあるにしても、
悪しき風習がゆえに廃れるべくして廃れてきている面もあるのではないだろうか。
小さな個々の命を必死に守る一方で、長い目で種の存続を考えるとき、
「進化」という活動は必然だとも言える。


保守と革新の繰り返しで、ヒトは脈々と生きながらえていく。
だとしたら、いたずらに昔からの風習を無条件に押し付けるのはいかがなものか。

良い風習は残し、悪い風習は淘汰していく。
これからは田舎もそういう自律性が求められると思う。

ただ守るだけでは地域は維持できない。
壊すべきものは壊し、新しいものを受け入れてゆかなければ。