トークサロン「農林水産資源の宝庫・愛媛の産業と地域づくり」

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えひめ地域政策研究センターと愛媛大学農学部農山漁村地域マネジメントスキル特別コース
の共同主催のトークサロンに行ってきました。

会場は愛媛大学の南加記念ホール。

一般的な四十歳の人間にとって、大学といえば二十年近く前のかなり昔の思い出、
といった感覚なんでしょうが、社会人学生として去年卒業した自分からしてみれば、
久々に戻ってきた、という感覚。愛媛大学ははじめてですが、なんか懐かしい。


「農林水産資源の宝庫」というタイトルにつられて参加したわけですが、
その意味においては失望でした。

木工による地域づくりを目指している自分としては林業関係の話が聞けたら、
という期待を持っていたのですが、蓋を開けてみると、
農産資源と水産資源についてしか語られず、しかもというか、やはりというか、
食中心のお話でした。


まあそれでも元気あるリーダーの話はいつ聞いても感動と元気をもらえる。
その点においてはためになるといえばためになるのですが、
今回はもう一点、勉強になった点がありました。

地域づくりにもノウハウがある、という可能性について。


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今回のトークサロンは以下の三部構成。

  1.講演(演者二名)
  2.特別報告(演者三名)
  3.パネルトーク

誰のお話が良かった、と順位付けをしたり批判するのがこの記事の目的ではありません。
ただ、良かった話の記録はしておきたい。

その意味で、今回一番感動し、モチベーションが上がったのは1.の講演。
やはりリーダーシップの度合いが半端じゃなかった。
とくに良かったのが「一魚一会の水産業」を話した八幡浜市の昭和水産・宮本社長。
昭和水産の概要・状況・問題・対処方法が的確かつ分かりやすく説明されていました。
とかく地域づくりは感情論に走りがちな気がしますが、
地域づくりに複雑な論理など必要ではないとも思いますが、
分かりやすいシンプルな核は必要なのかな、と。

つくづく水産関係者であったのが残念。
林業関係者で宮本さんのような話をしてくれる人を期待していたんだけどなあ。


特別報告三本終えた時点で休憩。そして余興演奏。

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なかなか粋な演出で。


第三部はパネルトーク。

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うーん、しかしボリューム多すぎ。
期待していた林業の話は出ず、食の話ばかりになったこともあって、
正直、右から入ったお話が左から半分抜け出てしまう。
しゃべる方も大変だとは思いますが、聞くのも大変なんですよ。
やはり人間ニ時間以上の座学は厳しいのではないでしょうか。


今回の一番の収穫は、愛媛大学の「地域マネジメントスキル修得講座」。
こういう講座があることを知ることができました。

正直、現時点で地域おこしにノウハウがあることを信じることができません。
ただ、未来永劫地域おこしにノウハウがない、というのではなく、
現在はまだ地域おこしという「業界」が未成熟なんだと思います。
だから今は勢いに任せて突っ走るしかないのではないか、と。
そして、地域おこしにノウハウを見出すためには継続的にノウハウを作り出す努力が必要だと。

地域おこしそのものは自分の本分ではないと思いつつも、
せっかく地域おこし協力隊という仕事に就いたのだから、
地域おこしのノウハウを見つけてみたい、という気もしてくる。

いずれにせよ、学びの多いイベントでした。


それにしても大学という場所はなんと居心地のいい場所か。

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責任がないから新しいチャレンジができる。
しかし、それは本当のチャレンジではない。
しかし、それは来たるべく本当のチャレンジのための備えとなるだろう。