ユスモク(仮)モクモクと、その2。

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[F'案]


かつて東京でエンジニアをしていた頃。

開発中の製品について、そのプロセスを公開するなんて、もってのほかでした。
開発のノウハウは資産であり、それを公開することは、
その資産の価値を無にする行為に等しいからです。
いわゆるブラックボックス・システムと呼ばれる現代社会のモノづくりの基本システムです。

一方で、インターネットが発達し、ソフトウェアの果たす役割が大きくなってくると、
ソースを公開して、皆で共有するオープンソース、いわゆるホワイトボックス・システムが
にわかに台頭してきました。

ノウハウを公開してどうやって儲けるんだ?
...と最初はそのシステムの良さがよく分からなかったけれど、
偏見を捨て、本質的な面から眺めれば、ホワイトボックス・システムのもつ「良さ」が見えてくる。


三人寄れば文殊の知恵。

良いものをみんなで共有すれば、その良さはさらに良くなる。


...というわけで、遊子川に新しく出来る予定の木工所のロゴの作成過程を公開します。

遊子川には「遊子川もりあげ隊」と呼ばれる地域活性化プロジェクトがあって、
その中に役場の人間で構成される推進チームがあるのですが、
まずは原案をこのチームに提案。

それがA案。

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この時点で、「イラストが鹿に見えない」「フォントは柔らかいほうがよい」との声もあって、
以下のB案〜D案を提案。

B案。

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C案。

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D案。

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ゆくゆくは広く外部へもアピールしたい、ということで、
Facebookのクエスチョン機能を使ってアンケートを実施。
50名超からA案〜D案のどれが良いか選んでもらったところ、
一位がダントツB案。二位が意外と人気だったD案。三位が同率少数でA案とC案、という結果。
しかもB案の半数以上がシャープなイメージであるにもかかわらず、女性支持。

どれが良い、という結果云々の前に、
コンセプトがまだブレブレだったことに気づけました。

鹿は本当にパッと見で鹿と分かる必要があるのか?
柔らかいイメージだけで良いのか?

詰めなおしたコンセプトがこちら。


 遊子川の地域活性化対策の一つとして、木材の有効活用があります。
周囲を山林に囲まれ、豊富な森林資源の価値を再確認をするために遊子川内に木工所を
立ち上げます。木工により木の魅力を再確認し、魅力ある木々に囲まれた地域を誇れる
ようにするのが目的です。
 木工所の名称は、「遊子川」の名前をアピールするために、単純ではありますが
「遊子川木工」、親しみを持ってもらう略称として、「ユスモク」とします。
「ユスモク」の字体は「つくる」という行為の「メカニカルさ」をアピールする直線的
なものとしました。一方で人的温かみをアピールするイメージとして、遊子川の伝統技能
である七鹿踊りの鹿の面をモチーフに置きました。動物の鹿そのものをアピールしたいわけ
ではなく、鹿踊りをモチーフとすること(鹿の面自体がある程度抽象化されている)、
また、鹿踊りの喧伝ではなく、あくまで「親しみをもってもらうこと」が第一目的なので、
あえて鹿のイメージを少し弱めた抽象的なイラストとしました。
 また、「木」をイメージするものとして、大地から「生えている」感じと、
遊子川の「Y」を鹿の角で表現しました。
 温かさとタフネスさ。これらを両立させるイメージとしてこのロゴを作成しました。


原案(A案)の鹿のカタチが良く、目はB案以降のものが良い、という意見があったので、
そちらも反映させてみる。

それがE案。

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が、やはり「鹿の面」を忠実に再現したい、とのことでB案を修正したF案を作成。

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さらにロゴとイラストのバランスを調整したのが冒頭のF'案。


現時点でコンセプトは提案段階で、現在メンバー内に開示して確認中。


...といった感じで進んでおります。

順調といえば順調なのかな。