ユスモク・クラブ第9回・第10回

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新年最初のユスモク・クラブは2回にわたって、
木工旋盤(ろくろ)を使っての木皿づくりに挑戦しました。

ろくろは皿やお盆、コップなど、円筒・円柱状のものを加工するときに使われる機械。
作業には熟練を要し、誰でも簡単に扱えるシロモノではないですが、
遊子川公民館及びユスモクでは木工文化を普及するという目的であえて導入し、
愛媛大学の工作実習室で旋盤の指導をしている専門職員の方に講師をお願いして、
ろくろの基本的な扱い方を学びました。

いきなりお皿などの大物の加工は難しいので、
1回目は1〜2センチほどのどんぐりの小物加工で基本操作を学び、
2回目は直径10センチ弱の小皿づくりにチャレンジしました。

熟練が必要な機械なので、すぐにお店に出せるレベルのものが作れるわけではないですが、
普段目にしている木器がどのようにして作られているかを知り、
実際に自分でも作ってみることで、モノづくりの楽しさを体感することは
木の良さ、モノづくりの大切さを認識する上でとても貴重な体験だと思うのです。
そこから地域性を生かしたモノづくりが生まれたらいいなと思います。

作ることは楽しいんだ。
まずはそれを知ってもらいたい。


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ろくろは加工材料を回転台にとりつけて回転させ、
外側から刃物をあてることで加工していくわけですが、
素人には最初にどのような形状のものを取り付ければいいのかも分からないわけで。

先生があらかじめ用意してくれた材料。

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どんぐり用。


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木皿用。

あまり柔らかすぎると、ねじれたり歪んだりするので、できるだけ堅い木がいいのですが、
逆に堅すぎると加工が困難になってくるわけで、堅さの加減が大事。


バイトと呼ばれる切削刀で切りだしていくわけですが、
台に固定するタイプと手で持つタイプの二種類があり、初心者には前者のタイプがオススメ。

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仕上げはヤスリを回転する材料に押し当てて磨くのですが、これが慣れるまではちょっとコワイ。

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完成したどんぐり。

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なかなか愛着のあるカタチ。


さて、2回目は小皿づくりに挑戦。

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どんぐりに比べて大きさが大きくなるだけでなく、
内側をくりぬいて器にしていく難しさが加わります。


木工所には新たに準備したろくろ以外に、廃校から持ってき古い金属用旋盤もあって、
先生にメンテしてもらって使える状態にしてもらい、こちらでも作業。

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古びてちゃんと動作しなかったり、部品がなくなってたりと制限はありますが、
とりあえずなんとか動きそうです。


失敗は成功の元。

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薄くし過ぎると力負けして割れちゃいます。
限界を知ることで安全に使えるようになるわけで、これも良い経験。


なんとかできあがった小皿。

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固いナラの木だと木目がさらにキレイに出ます。

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先生レベルになるとこんなのも作れちゃいます。

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いつか地域のみんながこういうものを作れるようになるといいなあ。


ろくろ機械が二台しかないので、なかなか多人数対応が難しいところ。
興味のある人がぼちぼち安全に練習してもらえるといいのですが、
その安全性の確保が今後の課題と言えます。

うーん。

課題は残りますが、とりあえず来月はこれまでの総仕上げとして、
自由制作に取り組んでいただきます。

3月には制作物の展示も計画しています。
乞うご期待。