里の灯火2011

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[そーいえば今日はハロウィーン!]


高松市檀紙地区へ行ってきました。

目的は小学校と地域が協同で開催している陶器のライトアップイベントの見学。
元々この地域は御厩焼という伝統工芸が盛んな地域で、
最盛期にはおよそ200もの窯があったそうですが、
年々衰退帯の一途を辿り、2004年には最後の窯の火が消えたとか。

伝統工芸の消滅を憂えた地元住民の方が、
8年前に行動を起こし、有志で結束して小学校の一角に大きな窯を作り、
地元住民、小学生などが集まって年に1回陶器を焼いているのだとか。

せっかく作った陶器をアピールしたい、ということで
陶器に明かりを灯してライトアップしようという試みが
去年からはじまったそうです。

この檀紙小学校の先生と地元・城川中学校の先生が大学院のゼミで一緒で、
そのツテでこのイベントを紹介してもらいました。


東京のコンクリートジャングルから移ってきた身には、
大自然がすぐそばにある遊子川は本当に美しい場所だと感じます。
しかし慣れとは恐ろしいもので、長年そこに住んできた住民からすれば、
それが「当たり前」になってしまい、美しい自然に対する感動は薄れてしまう。

美しいものへの再自覚、それが僕にできる地域おこしではないだろうか。
美しい自然から得られるものを、「ものづくり」によってさらに「分かりやすい美しさ」へ。

地域をそういうものであふれさせれば、地域に誇りが取り戻せるのではないか、と。


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[檀紙地区入口の案内板]


ちょっと早めに着いたので、周囲をぶらぶらしていたら、
空港が近い、ということでちょっと足を伸ばして行ってきました。

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[高松空港]

なかなかモダンな作りの空港ですな。
たしかここもセカチューのロケ地ですよね。
ちょっとイメージと違うな。
リニューアルしたのかな。


さて、檀紙地区へ戻って。

現地で紹介してもらった先生にお会いして、暗くなるまでの間、
いろいろお話を伺いました。

見た目は遊子川と同じような田舎ですが、
高松中心部へも近く、小学生だけでも500人くらいいて、
しかも人口は増加傾向にある地区だとか。

遊子川とはだいぶ違う環境ではありますが、
廃れた文化を復興させたい、と思っている点には共通するものがあるようです。


小学校の一角にある窯。

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けっこうな大きさの窯ですが、その大きさゆえにしょっちゅう火入れするのが難しいのだとか。


手作りの灯篭。

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味わいあるなあ。


公民館の一角に陶器を集めてライトアップ。
全体としてはこじんまりとしたものだけど、やはりこれだけ集まるとなかなか壮観ではある。

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まだはじまったばかりで、こじんまりとしたものだけど、
地域美化という点でなにか参考になることもあるはず、
と半ばカンみたいなものが働いて、遊子川の敬老会をパスして行かせてもらったのですが、
やっぱり行って良かった。


地元に住んでいるメリットは多分にあるけれど、
ともすれば地元行事を優先しなければならない雰囲気に流されがちになります。

地域の「今」を知ることも、運営していくことも大事なことだけれど、
僕らの本当の使命はその先の「未来」を住民の方に真剣に考えてもらうことにあると思うのです。
そして身体がひとつしかない以上、全ての地域行事に参加することは物理的に無理。
さらに地域行事を全部出て、なおかつ地域活性化業務をおこなうのはなおさら無理。
地域住民とて、全ての地域行事に出ている人はいないわけですから。

「今」をこなしつつ、「未来」を考えること。
それはとてもエネルギーの要ることで、やはり個人の力ではどうにもならないものです。
だからこそ地域おこしは住民の一致団結が不可欠なんだけど、なかなか。
遊子川は小規模ゆえにけっこうまとまりのある地域なんだけど、それでもなかなか。

まあ、着任半年、焦りは禁物。

...と言ってる間に任期はあっという間に過ぎていくみたいですが。