カッコイイ女

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僕はあまり他人をカッコイイ、とか思わないのだけど。
この人はカッコイイ、と心底そう思った。

時代の最前線にいる人々を紹介する番組「プロフェッショナル」。
今回のプロフェッショナルな人は秋山咲恵。
電子基盤検査機器を手がける60人ほどのベンチャー企業の社長。
ベンチャーといえば昨今ではIT分野が注目されていますが
この会社は製造業ベンチャー。
実は職場が目と鼻の先です。
こんな近くにこんな会社があったのか、と。

最近の起業ブームで年間に20万件の会社が誕生してるそうですが、
そのうちの三割は消えてていくそうです。
ベンチャーには厳しいこの世界でこの会社は大手と対等に
張り合いながら業界第2位という実績をあげているという。

僕が感動したのはその手腕ではなく、考え方。
手腕ももちろん必要なのでしょうがその考え方が
この会社を牽引する真の力なのだと思った。

  「会社を成長させるためには、人を育てなければならない」

この基本的なことを実践できている会社が星の数ほどある
会社の中でいったいいくつあるのでしょうか...

実は7月末日をもって僕は今の会社を退職します。
新卒入社以来14年間勤めた会社でした。

新しいことにチャレンジしたい、というのがその理由ですが
今の会社でやれるだけのことはやった、と心の底から言い切って
辞めるのであれば心残りもないのですが現実はそうではなかった。

大手電機メーカー、業績難はあるものの大会社ゆえの安定、
高待遇、良環境に恵まれた職場でした。
けして会社に愛想を尽かしたわけでもなければ、
大きな問題を起こした、とかそういうわけではありません。
それでも僕はこの会社を去らなければならなかった。

技術は高度化し、ますます競争は激化する。
その中で仕事に「やりがい」を感じられなくなる人がけっこう増えています。
就労問題は過労などのフィジカルな問題から
いまやウツなどのメンタルな問題へと移行してきているといえます。

会社は大きくならなければならない。それが健全な道だからである。
しかし会社は大きくなりすぎると見通しが悪くなる。
無駄なものが多くなる。
ただ時間を浪費するだけのミーティング、
何のためにやっているのかわからないような仕事。
そしてトップはすべての社員に目が行き届かなくなる。
会社の理念と労働者の理念がすれ違うようになる。
本当に大切なのは人と人との「触れ合い」なはずなのに
それがおろそかになる。

ベンチャーならではのスピード、明確なポリシー。
けしてあきらめないハングリー精神。
自分の問題は自分で解決する、という自己管理の徹底と同時に
あなたはけして一人ではない、そばにいるよ、という和合の精神。

あるべき理想の会社の姿がここにあると思いました。