先に映画の存在を知ってなんとなく興味があったけど
ホラーっぽくて(ホラーは苦手なのだ)観ずにいて...
というところで原作を読み始めました。
この物語はホラーじゃなくて、ミステリー。
マインドミステリー、それは人間の深層心理に迫る物語。
そこがこの物語に引き込まれていく理由なのかもしれない。
「人間なんて心の奥底ではなにを考えてるかわかりゃしない」
こんなふうに考え出すともう疑念のスパイラルから逃れられない。
幼少時代に大人に裏切られた人間はこの疑念に囚われたまま、成長する。
心の中に「隠れ家」を宿したまま。
その疑念のスパイラルを打ち破るには自らの強い意思と
「友」に恵まれることが必要なのだろうか。
まだ最後まで読み終わってないので総合的な考察はまた後日。
映画版は映画館ではもう観れないと思いますが、DVDで絶対観ると思う。
それくらい引き込まれる。
映画版の主演は内山理名。
不思議な魅力を持った女性だ。
バラエティとか素で話しているときの彼女は普通の女性。
派手な美貌を武器に、というタイプではないけれど、
ひとたび女優として映画の中に登場すると
女が本来持っている魅力とでもいうものに、つい引き込まれてしまう。
それが女優としての彼女の能力の高さなのか。
はたまたこれが本当の「いい女」なのか。
(2006/01/31 drecomより移動)
時は流れて2010年3月。
5年の歳月を経て、テレビでようやく映像を見ました。
内山理名、水川あさみ、塚本高史、安めぐみ、小日向文世、緒方直人、
堀北真希、南野洋子...
意外と豪華キャスト。
作品そのものは内山理名同様派手さはないけど、
内山理名&水川あさみの二人の「いい女」が、
良い作品に仕上げているように思えた。
殺人事件の被害者の娘と、加害者の娘。
どちらが不幸か、なんて論じるのはナンセンス。
殺人は道徳上許されるものでないだけでなく、
自然のルールに反する行為である。
種の発展のために種の中の弱いメンバーを排他していくことは、
人間以外の生物では時たまあることだけど、
人間の行う殺人はそういう心理に基づくものであることはまずない。
人間は自分の都合で他人を殺す。
種全体のことなど考えず、自分のエゴだけで他人を殺す。
人間に与えられた叡智が狂気と化し、暴走したがゆえの行為。
そんな暴走に巻き込まれた周囲が被る被害は決して小さくない。
殺された人間だけでなく、
殺した人間、殺された人間の周囲の社会的人間性までをも傷つける。
だから殺人はたとえどんな場合であっても許されないのである。
法的に、道徳的に、生物学的に許されないのである。
コメント