妹の肖像

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今日は妹の誕生日。
気づけば彼女も今年で33歳。

妹のことは過去記事で何度か登場してるけど、
ここであらためて妹はどんな人間だったのか、記録しておこうと思う。


そうしないと忘れてしまう。...というか、もう忘れかけている。
彼女がどんな仕草をして、どんなものが好きだったか。
もう思い出せない。

僕の脳裏には最後に会ったときの18歳の彼女しか思い浮かべられない。

二つ下の妹は16歳まで同じ屋根の下で暮らした。
正直兄貴らしいことはなにひとつしてやってない気がする。
よくケンカした。
僕は心を許している人ほどよくケンカする気がする。
ケンカするほど仲がいい、ってやつだ。
だからまあ兄妹の仲は悪くなかったのだろう。

僕は学生の頃はそれなりに成績はよかったけど、
妹はそれほどでもなかった。勉強は嫌いだったようだ。
タバコもはやくから隠れて吸っていた。
高校受験もすっぽかし、どっかの専門学校に入ったものの、
ものの数ヶ月で中退して養父母の家を飛び出した。

いわゆる僕は「優等生」で、妹は「劣等性」だった。
でも今思うと、人間らしい感情で素直に行動していたのは
妹のほうだったのかもしれない。

養父母のしつけは厳しく、妹はそれに反発して家を飛び出した。

僕は当時自分のことを考えるのが精一杯で、
彼女の話を聞いてやろうともしなかった。
彼女が僕になにか言いたかったのかどうかも注意を払ってなかった。
たぶん複雑な環境下で僕と同じようにいろいろと考えていただろう。

養父母の家を飛び出し、僕らを捨てた父の元に走った妹を
僕は若い頃はかなり軽蔑していた。
だから父同様遠ざけ、あえて会おうとしなかった。

でも自分自身が離婚して、家族を形成することの難しさを痛感してからは
父や妹に対する考え方も少しずつ変わっていったと思う。

妹には今二人の息子がいるのだが、どうやら最近離婚したらしい。
妹もバツイチ。父もバツイチ。叔母もバツイチ。祖父もバツイチ。
そして僕もバツイチ。
そろいもそろってバツイチ家族。
つくづく世渡りが下手な親子だと思う。

まあ、それでも人生楽しく生きる術は学べる。

だから仕事を辞めてしばらく時間ができる今、
僕は妹に会いにゆこうと思う。
まだ会ったことのない、二人の甥っ子にも会いたいと思う。
会ってくれるなら父にも会いたいと思う。
少し、いやかなりコワイけど。

きっといいオバサンになっているんだろうな...
僕もいいオッサンなんだろうけどw


~ 故郷とは、遠きにありて思ふもの ~