恐怖が引っぱっていくところ

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さあ、行かなければ。旅を続けなければ。果てしなく旅を続けて、海の水も涸れ、喜びも尽きるところに、そなたの生身の人間としての恐怖がそなたを引っぱっていくその場所に、どうあっても行き着かなくては。(『ゲド戦記Ⅲ さいはての島』より)

臆病である、ということは恐怖におびえることである。
僕は長い間自分が臆病であることに嫌悪感を持っていた。
臆病でなくなることをどこかで望んでいた。

でもそれは夢を捨てることに等しい行為なんじゃないかと今は思う。
臆病だからこそ僕は動くことができ、どこかへ向かおうとするのだと。

僕はそこへ行かなければならない。
そのだい一歩は踏み出せた。
その途端、僕は眠れるようになった。
逆に今ではこれまで眠れなかったぶんを取り戻そうとするかのように
寝すぎてしまう。

不安や恐怖はこれまでどおりあるのだけどなぜか僕は今幸せです。
不安や恐怖はけして不幸要素ではない、ということなんだね。

自分が向かおうとするところへの道をふさがれること、
それが不幸なんだな、とふと思った春の一幕でした。