リズム

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「早朝に人生を考えよう」シリーズ第?弾。
今回は「リズム」について考えます。

人にはそれぞれリズムがある。
心と体のリズムが一致しているのが理想な状態なわけですが、
実際なかなかそうもいかないもんだなと。

この歳になって僕はようやく自分のリズムというものが分かってきた気がする。
僕のリズムは比較的スローペース。いわゆる競争には向かないタイプです。
競争が悪いとは思いません。資本主義は競争世界です。
競争により資本主義圏は飛躍的に発展を遂げてきた。
ナンバーワンを目指すことはけして意味のないことではないと思う。
しかし全ての人が競争すべきかというとそれはまた別の話。

若い頃はそれが分からなくて、
とかく他人の目を意識して、無意味に競争して、
でもやっぱり向かないもんだから当然上手くいかなくて、へこむ。
そんな繰り返しでした。

例えば若い頃、僕は剣道、空手をしてました。
これらは試合に出て「勝つ」ことに意味がある武道。
しかし僕はこれといった成績を残せなかった。
まあ実力、資質もあるんでしょうが性格的に向いてなかったと思う。

どちらかといえば僕はM。(その手の趣味はありません、念のため^^;)
自らの肉体を酷使することはそれほど苦に思わなかった。
けどいざ試合になると普段の自分が出せなくなっていた。
試合という場は自分がSにならなければならないところ。
それがどうにもしっくりいかなかったのかな。

一方で合気道は試合がない。
どちらかを倒すのではなく、お互いをより昇華させる武道。
僕は水を得た魚のようにこの武道に熱中し、以来15年近くも続けている。
多分今後もずっと続けるでしょう。

「競争に向いてる人」から見れば、
僕のような人間は「逃げている」ように見えるのかもしれません。
実際若い頃はそう見られるのがいやで、
無理に競争にしがみついている自分がいた。
しかし今では心から「それは違う」と言えます。
「ナンバー・ワン」ではなく、「オンリー・ワン」。
これこそ最も大切なことだと今では思えます。競争が全てじゃない。

さて、人はそれぞれ自分のリズムを持っているわけですが、
人と人が交わる時、「リズムの調整」が必要になります。
コミュニケーションが難しいのはこの「リズムの調整」の部分だと僕は思う。
自分のリズムを保ちつつ相手のリズムを壊さない。
まず自分のリズムを知らなければならない。
それから相手のリズムを知る。

恋人なら恋人同士の、家族なら家族の、友達なら友達の、
仕事仲間なら仕事仲間の「リズムの調整」をしなければならない。
それは本当に難しいことだと思う。

誰に対しても同じ態度で接することが正しい、とは限らない。
誰に対しても優しくすることが本当の優しさではない。


僕はマン・ウォッチングが好き。
ただ他人の目が気になる、というだけかもしれないけど。

だから比較的他人のリズムを知ることは得意なほうかも。
そしてようやく自分のリズムを把握できるようになった。
これから本当の「コミュニケーション」ができるんじゃないかなと。
実際今、僕は人と会うのが、話すのが楽しい。友達も増えた。

  「彼(敵)を知り、己を知れば百戦危うからず」

孫子の兵法書だったと思いますが、
この言葉をコミュニケーションの極意だと感じる今日この頃です。

(2006/10/11 drecomより移動、修正)