妹よ

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新年会に友達が妹を連れてきた。


その友達のブログに妹のことについて触れていて、
「ああ、これが家族の絆、姉妹の絆ってやつなんだな」と思った。
同時にうらやましくも思った。

僕にも妹が一人います。
妹とは僕が20歳のときに会ったきり以来13年間一度も会ってない。
声も聞いていない。
僕の育った家庭環境は少々複雑で、
養母の厳しい教育に反発した妹は中学卒業後間もなく家を飛び出し、
別に暮らしている実父の元へ行ってしまいました。
僕は妹とはけして仲は悪くなかったのですが、
当時の僕は(今もそうかもしれませんが)無力で引き止める術を知らず、
連れ帰る術も知りませんでした。
それどころか僕が最も嫌っている実父のところに行ったとあって、
妹を軽蔑しますます疎遠になってしまった。

僕を育ててくれた養父母(実際は祖父母ですが)にはとても感謝している。
しかし僕は家族の絆を知らない。
その思いが今でもぬぐえない。
風の便りに彼女が二児の母になったことを知った。
住所も知ることができたので去年の正月に12年ぶりに年賀状を出してみた。
するとお返しに彼女も年賀状を送ってくれて、
そこには二人のかわいい子供の写真が写っていました。
一方で僕は今年彼女に年賀状が出せなかった。
手に入れたと思っていた「家族」を失っていたから。
人生の遠回りをしていたのは妹ではなく、僕だった。

僕が一番ほしいものは「家族」。
小さくてもいい。金持ちでなくてもいい。けして離れない家族。
そしてその家族を支えてくれる友人たち。
しかしそれらを手に入れることは僕にはとてつもなく高い壁。
生父母に捨てられた、という思いが僕の心の壁を厚くしてしまった。
人を簡単に信じなくなった。
集中力がないのは今の自分が信じられないから。
自分が何者か分からなくなった。
僕がいろいろ手を出すのは自分が何者か知りたいから。

ただ幸運だったのは、落ち込んでいる時に良い仲間と出会えた事。
またゼロからのスタートになってしまったけど、
今度はそれを見守ってくれる人達がいる。
だからもう一度スタートが切れるんだと思う。

いつの日か妹と心から笑い会える日が来るといいな。
世界にたった一人だけの妹なんだもの。
妹よ、情けない兄だけど頑張るぞ。


...今日はしんみりまじめモードでした。

(2006/09/26 drecomより移動、修正)
(2009/12/29 加筆修正)