貧に足る

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めっきり寒くなったかと思いきや、急に暖かくなったり、
雨が降ったり、キレイに晴れ上がったり。

あわただしい天気が生活をあわただしくしているのか、
たいして働いてもいないのにばたばたな毎日に体調も崩しがちな今日この頃。


それにしても最近は夕焼けがキレイな日が多いです。
学校に向かう道すがら、多摩川沿いのキレイな夕焼け写真をよく撮ります。


夕陽ってどうしてこんなに美しいのだろう。
どうしてこんなにも人の心を打つのだろう。

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1つのことに熱中すると、周りが見えなくなるタイプです。
今の僕のその1つことは当然、大学での学業。

学業中心の生活。
そして徐々にではあるけれど着実に成果が出ていることがなお、
僕を学業へと集中させる。

いわゆるポジティブ・スパイラル、ってやつ。


授業はほとんど無遅刻無欠席。
席もだいたい一番前あたりに座る。

別に自分が真面目だとは思わない。
単に自分で払った学費の元を取りたい、というケチ心なんだと思う。

遅刻するくらいなら、さぼってしまうだろう。
後ろの席に座ったなら、必ず居眠りするだろう。
その程度の男だよ、オレは。

知識が仕事を得る助けにならないことは長い社会人経験で百も承知。
それでも今、僕は学ぶのが楽しくてしかたない。


美術は絶対評価が難しい分野だと思う。
理工系なら数値で比較的評価しやすいんだろうけど。

美の創造、独創的な発想力という点において、
天性のセンス、というものは確かにあるかもしれない。
でも2年間学んできて思うのは、
センスのありなしを考えるより、自分がどんなものが好きで、
どれだけその好きなものに打ち込めるか。
それを見つけることのほうがよっぽど自分の能力を伸ばせると思うのです。
結局のところ、なにかを成すのに必要なのは集中力なのだから。


先生に褒められる作品もそうでない作品も、
社会から見ればその価値は五十歩百歩だと思う。
「無価値」というのではなく、「ダイヤの原石」に過ぎないってこと。
玉磨かざれば光なし、です。

キャリアのない学生が、センスだけで作ったものなんて、
社会の中でもまれ続けてきた人から見ればそんなに大差はないと思う。

だから他の学生より出来が悪いからといって悲観することは全然ない。
それよりも自分の作品を心から満足することができたか、
それを自らに厳しく問い、心残りがあったかを確かめる。
心残りがあったなら、次はどうすべきなのかを考える。
どうしたら自分の作品をもっと好きになれるかを考える。

自分さえ好きになれないものを他人が好きになってくれるだろうか。
万一好きになってくれたとして、自分はそれで幸せだろうか。


あまりに学業第一なので、逆に仕事のほうはそっちのけ。
徐々に「やりたいこと」が「やりたい仕事」になりつつあるけれど、
それでもまだまだ自活できるほどのレベルはほど遠い。
そのことが時に僕を自己嫌悪に陥れる。


でもやっぱり僕は学び続けるべきなんだと思う。
奨学金という借金もできる。


人は貧に足りて、道を歩む。
富に足りると、歩みは止まる。