大学のデザイン専門科目における現在のセッションは「できごとのデザイン」。
いわゆる情報デザイン系で「モノを作る」というよりは、
「コトを考える」ことが中心の授業です。
それはそれでデザインをしていく上で大切なことだというのは分かるのだけど、
「ものづくり」にこだわる自分としてはやはりなにか物足りない。
たぶん考えることがスタート、考え尽くすことがゴール、というのは
実際の社会ではあり得ないからかな。
実際の社会では形として実現してこそ評価される。
どんな高尚な研究も実際の現場に生きなければ評価されない。
それが現場、というもの。
なんとなくフラストレーションが貯まっていく中で、
唯一の救いが研究室の助手さんのお手伝いの家の模型の制作。
モノを創るって楽しい。
たとえそれが模型であっても。
[CGイメージ]
以前はスペースデザインは
CGか模型止まりで実際のモノを作れないから物足りない、
なんて考えてました。
でもそれは模型を作ったことのない素人の浅はかな考えだった。
建築の模型はプロダクトデザインのモックアップより全然現実的だった。
今回の模型作りはすでにある住宅をギャラリーに改築するためのもの。
つまり改築前の実物の家屋と図面がすでにあるわけで、
図面を一から作る新築物件とはちょっと異なります。
実物や図面がすでにあるのでそれらと比較して
模型の出来具合を確認しながら制作できる。
模型作りを学ぶには最適な学習環境といえる。
以前に2つスペース系のセッションを受講したとはいえ、
まだ住宅模型は作成したことがなかったので、
多少模型作りの経験がある同級生と一緒に作ることに。
スケールは1/30。
最初は1/50図面の数値を1/30スケールに変換しながら
線引きをはじめたのですが、そのうち図面を1/30に拡大コピーして
そこから線引きした方が早い、ということが分かって
そちらに切り替えたのだけど、その切り替えが後々トラブルになることに。
ただまっすぐのパーツを切り出すのにも、
まっすぐのカッティングができず、いびつな形になってしまう。
ちゃんと寸法を測ったはずなのに、
パーツ同士の組み合わせが上手くはまらない。
ただまっすぐの箱を作るのがこんなにも難しいなんて。
およそ2週間ほどかけて、
二人で四苦八苦しながら、
いろいろミスをくぐり抜けながら(ごまかしながら^^;)、
なんとか期限の前日夜遅く、ぎりぎり完成しました。
およそ3日前までパーツだけでほとんど組み上がってなかっただけに、
本当にできあがるのかな、と二人で心配していたけれど、
できあがってみると予想以上にキレイなできあがりに
満足感を得ると同時にすごく嬉しくなりました。
やっぱりどんなにキレイなCGもよくできた模型にはかなわない。
そこには凝縮されたとはいえ、確実に空間が存在するのだから。
模型作りに少し自信が持てるようになりました。
とはいえ、難しいところはやはり同級生の女の子にやってもらったので、
今度は一人で1つの模型を完成させてみたい。
そこで冬休み&春休みの自主課題。
冬休みに実家の模型&図面を作成する。
春休みに実家の改築案を設計する。
...良い感じで自主課題が展開できそう。