東京オペラシティガレリア活用提案【最終プレゼン】

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第2セッションが終わりました。


...なんなんだ、この後味の悪さは。

原因はいろいろ考えられるけど。
一言で言うななら、やっぱり自分の力不足なのだろう。


新宿の初台にある、東京オペラシティのガレリア。
新国立劇場とオペラシティの間にある幅15m、長さ200mの細長い空間を使って
「なにか」を展示する空間を提案する。

それが今回の課題。


新しく空間を作り出すことと、今ある空間を活用してコンテンツを考えだすこと。
...両者は果てしなく別物ではないだろうか。


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現地を見学に行って、まず感じたのは、
屋根を見上げるアングルがとても美しい、ということ。

それで下から見上げる形でなにか展示したいと思った。
なにを展示するか、と考えたときにすぐに「ファブリック」が思い浮かんだ。
無意識にここに「柔らかいもの」を置きたいと感じたんだと思う。

両隣にハードな空間。
ここは本来ソフトな空間をつくり出すために設置されたはず。
実際このガレリアは通路としての役割より、
両隣の空間からの「憩いの場」としての機能のほうが強い気がした。
ただ、天上のアーチで若干の柔らかさは出ているものの、
全体としての空間のイメージははまだまだ固かった。

この空間が本来持っている機能をもっと分かりやすく表現したい。
経済上のメリットより、人間が本来求めている要求を具現化したい。
...それが僕がこの空間で実現したいと思ったことでした。

上を見上げるものといえば「雲」。
雲の中でも比較的規則性を持った美しさを持つのが「うろこ雲」。
ガレリアの規則正しい天窓にマッチすると思い、
僕はここにうろこ雲を置きたいと思った。


模型。
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図面。
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火曜日のゼミが忙しく、かなり集中力を削がれた。
ただ、だからといって物理的に課題に集中する時間がなかった、
というのは単なる言い訳にすぎない。

人間本当にやりたいことであればやるものだ。
火曜のゼミと今回の課題の中に「自分の本当にやりたいこと」を見出せなかった。
それが集中力をいつも以上に欠いてしまった原因だと思う。
そしてそれも自分の実力不足のうちだ。


火曜のゼミも、今回の課題もどちらかといえば
「既存の空間をどのように使うか」を考える課題。
僕はどうやらそういうテーマに興味を見出せないみたいだ。

実際の仕事においては自分のやりたいことばかりじゃないことはよく分かっている。
僕はこの大学で仕事がどんなものかを、学びたいのではなく、
仕事をやり続けるために必要なエネルギーである
「好き」という気持ちを得る方法を学びたい。

好きという気持ちが持続できるからこそ、
最終的に得られる感動や達成感を信じられるからこそ、
目の前の障害の辛さや大変さに耐え、同じ作業の退屈さにも耐えることができる。


今回の課題はスケールが大きすぎるがゆえに、
なかなかそのスケール感を把握した上でリアル感を表現するのが難しかった。
模型を作る場合はスケールが大きいがゆえに時間的にもコスト的にもきつい、
ということで最終成果物はグラフィックでも良い、という条件だったのですが、
僕はあえて模型、というイバラの道を選択した。

普段あまり授業に出てなくて、真剣に取り組んでなさそうな学生が、
元々得意なCGを駆使して一発逆転のプレゼンをしたりする。
そういうのを横目に見ていると、一瞬自分はなにをしているんだろう、って思ったりもする。

でも自分がそういう一発逆転をしたいか、というとやっぱり違う。
彼らはもはや空間デザイナーではなく、グラフィックデザイナーだ。
僕が目指したいところではない。

提案する空間デザインを実際に実現させるためには、
プレゼンの段階でその良さを伝える必要があることは当然だ。

ただ、それは本当に「空間が持つ良さ」なのだろうか。
それとも単に「グラフィックの良さ」なのだろうか。
グラフィックデザイナーなら、後者でも良いのだろうけど。
二次元の中でなら無限の広がりを持つグラフィックも、
三次元に出た途端つまらないものになる。
そういうケースは少なくないように僕には見える。

そういう二次元の持つ魔力に騙されたくはないし、
騙すほうにはなおさらなりたくない。
それは三次元にこだわる人間のプライドではないだろうか。

僕は自分がやるべき方法でチャレンジし、失敗した。
失敗は今の自分の実力が導いた当然の結果だ。
だからなにも悔いることはない。

でもやっぱり失敗は悔しいし、悔しいから次へのバネになる。
失敗を繰り返して人は学び、
やがては「好き」という気持ちをドライブするためのエネルギーになる。


だからやっぱり僕は間違っていないんだ。