愛媛県砥部町にあるとべ動物園に行ってきました。
子どもの時分はともかく、大人になってからは動物園という場所にはほとんど行かなくなった。
それが今回、この場所に行く気になったのは、
仕事の都合でちょっとした休暇がとれることになり、
この際だから近場で行ったことのないところに行っておきたい、と思っていたところに
久々に再会した知り合いがこの動物園に勤めているのを知ったことだった。
正直、動物を檻の中に閉じ込めて見世物にする動物園という場所はあまり好きじゃない。
しかし、食わず嫌いは良くない。
これは動物園という空間の存在意義について今一度考えてみる良い機会なのだ。
とべ動物園の前身は昭和28年に設立された道後動物園です。
かつては松山の道後温泉の近くにあったんですね...
松山の発展とともに動物園としての維持・拡張が難しくなり、
昭和63年に現在の県総合運動公園内に移転し、とべ動物園がスタート。
動物園の引っ越しはたいへんだったみたいですね...
動物園全体図。
最下部の方に正面入口があって、地域別・種別の10のエリアを巡ります。
意外と広かった!
正面ゲート。
ほとんど人が写ってませんが春休みというのもあってか、中はけっこう混雑してました。
ゲート前には今はもう絶滅種となってしまったニホンカワウソの銅像。
かつて道後動物園にいたそうです。
以下順路に沿ってエリア毎にお気に入りのアニマルを紹介していきます。
【スネークハウス】
夜行性が多いせいか、大半はピクリともせず。
[ニシキヘビ]
[メガネカイマン]
[ゾウガメ]
[グリーンイグアナ]
【ウォーターストリート】
一本足で立っていないフラミンゴ。
気持ちよさそうにひなたぼっこのカピバラ。
上を向くフンボルトペンギン。
下を向くフンボルトペンギン。
大勢のフンボルトの中に一匹だけ老いたオウサマペンギンがいます。
ちょうど餌やりの時間でしたが、
年老いたペンギンたちは水中の魚を泳いで食べることができず、
陸の上で飼育員の手から直に餌をもらってました。
つまり自然界ではもう生きられない年齢を彼らは生きている。
囚われであることを条件に人間の庇護下で。
それは彼らにとって幸せなことだろうか。
【アメリカストリート】
アンデス高地に住む、ラクダ科の動物、ラマ。
同じくアンデスに住むアンデスコンドル。
デカイ!猛禽類の中では最大だそうです。
クマタカ。
アメリカストリートにいますが、実際は国内に広く生息しています。
ただし絶滅の恐れがあり、国内希少野生動物に指定されています。
ピューマ。
ヒョウやチータに比べると脚が太い。
【アフリカストリート】
百獣の王、ライオン。
夫婦なのかな。
のんびり幸せそうにひなたぼっこしてました。
三日月刀の角が特徴的なシロオリックス。
シマシマのシマウマ。
長ーい首のキリン。
カバ。
クロサイ。
サーバルキャット。
【ゾウストリート】
長ーい鼻のゾウ。
ゾウの骨格。
【モンキータウン】
悲しげな瞳のオランウータン。
シシオザル。
尻尾がライオンのそれと似ていることが名前の由来ですが、
顔もライオンぽいです。
モヒカンヘアのクロザル。
喉から胸にかけての白い毛が特徴的なダイアナモンキー。
「見てる・聞いてる・言ってる」ボンネットモンキー。
【オーストラリアストリート】
セクシーなカンガルー。
エミューやヒクイドリは鳥インフルエンザの関係で見ることできず。
【アジアストリート】
他のサルたちが檻の中なのに対し、サル山が与えられているニホンザル。
圧倒的に数が多いからなんだろうけど。
サバクの舟、ヒトコブラクダ。
コブの中はエネルギー源となる脂肪。
マレーバク。
【リトルワールド】
レッサーパンダ。
ニュージーランド原産のヒツジ、コリデール。
【ベアストリート】
冬の王者、ホッキョクグマ。
海の色男、カリフォルニアアシカ。
ハーレムをつくります。
アシカ舎の上に一本足でじっと立つ鳥。
園内を自由に飛んでいる、ってことは野生なの?
いくつか動画も撮りました。
右往左往するヒョウ。
右往左往するトラ。
ノシノシ歩くピューマ。
ゆっくり泳ぐフンボルトペンギン。
動いてる動物はたいてい神経質そうに同じところを行ったり来たり。
子どもの時分であれば、そういう姿を見て楽しいのだろうけど、
人生も半分を過ぎた人間には、その姿は動物たち本来の姿ではなく、
動物たちにとって一番幸せな待遇でないことは一目瞭然だ。
一番幸せなのは大自然の中で生きることである。
たとえ生きるか死ぬかの緊張感の連続で、ある日一瞬でその生命が奪われるとしても、
それが彼らの本来の生き方である。
決して人間に飼いならされるために生が与えられるのではない。
しかし、再会した知り合いの話を聞いて、
子どもたちへの教育の場所という動物園の存在意義をあらためて再認識した。
自分も子ども時代に動物園に行って動物の生態を楽しみながら学んだ。
しかし、
だからといって動物を檻の中に閉じ込めておくことが全面的に正しいことにはならない。
人間社会において、人間が勝手に正当だと決めつけているだけで、
自然界全体で見れば、人間が動物たちにしていることは罪悪だ。
今すぐ世界のすべての動物園をなくせとは言わないけれど、
まずはこの罪の意識を持つことが大事だと思う。
学ぶために動物を捕獲するというのなら、人間は学び続けなければならない。
人間と動物たちのよりよい関係について追求できるのは、
今のところ人間しかいないのだから。
決して今の動物園の状況を良しとするのではなく、
より良い動物園の姿について、模索し続けなければならない。
これは動物園の運営者や飼育者だけではなく、
動物園を利用するすべての人間が考えなければならない命題である。
動物園には動物がいっぱいである。
そして動物園には愛がいっぱいある。
それは愛がいっぱいだから動物園の動物が幸せ、ということではなく、
動物たちから本来の生き方を奪う、という罪を犯すことで
人間は動物たちから愛をもらっているのだ。
だから人間もそのぶん動物たちに愛を与えなければならない。
だから動物園には愛がいっぱいある。
やっぱり行ってよかった、動物園。
【Information】オフィシャルサイト
開園時間:9:00〜17:00(入園は16:30まで)
休園日:月曜日(月曜日が祝日の場合は開園)、12/29〜1/1
入園料:大人500円、高校生・65歳以上200円、小中学生100円、小学生未満無料
駐車場料金:普通車300円