ニシアワー・森の学校【岡山県西粟倉村】

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[リノベるショールーム]

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木工先進地視察で岡山県西粟倉村へ行ってきました。
宇和町で古民家再生での地域づくりに取り組んでおられる方、
八幡浜で製材業を営んでおられる方と三人で。

西粟倉村の取り組みはFacebook、ホームページで知ったのですが、
まずはそのホームページの美しさ、センスの良さに惹きつけられました。

さぞかしセンスの良いデザイナーが専属で頑張っているのかなあ、
と勝手に思ってたのですが実際訪れてみるとちょっと状況は違ってました。

西粟倉村では2008年に百年の森構想を打ち出しました。
現在50年生の西粟倉の森を50年先を見据えた森づくりを目指そう。
その構想の元に、西粟倉村行政と森林組合、
それと活動を推進するコンサル会社の三者協働により
西粟倉村の新しい森づくりがスタートしました。

事業は良い森づくりを行なうための「百年の森林創造事業」と、
経済活動、都会へのアピールをしていくための「森の学校事業」の
二本立てで進められました。
その森の学校事業を進める組織が株式会社「森の学校」です。
廃校跡を整備してショップやカフェ、ショールーム、イベント会場などを設置し、
活動の拠点としています。

かつて西粟倉村にも近隣市町村との合併話が持ち上がっていたそうですが、
最終的には2004年に合併協議から離脱しました。

この選択が良かったのだと僕は思います。
下手に地域組織を大きなものとせず、動きやすくまとまりやすいスケールとしたことで、
山林を地域資源として再活用していく、というひとつの大きな目標に向かうことができた。

Small Scale, Large Depth.

ネットワークは広げるためのものだけじゃない。
深く繋がるためのものでもある。


森の学校正面。

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玄関。

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学校マップ。

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玄関そばの水槽も木枠。

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懐かしい雰囲気の廊下。

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玄関そばのショップには様々な木製品が。

木のネクタイ。

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実にユニーク。着こなす自信はないけど...


桜の箸置き。

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木と石のコラボ、「kishikoro」。

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間伐材の有効活用で作られた割り箸で間伐体験「カンバシ」。

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下駄の歯が動物の足跡になっている「ashiato」。

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動物の立体パズル「エコウッズ」。

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地元栽培の三椏(みつまた)で漉いた紙を使った行灯。

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意外だったのは森の学校自体は専属のデザイナーや職人は抱えず、
企画、ディレクションのみだということ。
そこが僕の中ではちょっと引っかかりました。


カフェ。

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いい感じのテーブル。

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夜はここで地元食材をふんだんに使った食事をいただきました。

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地元の米を使ったおむすび、野菜料理、イノシシのぼたん鍋などなど。


昼は鹿肉のカレー。

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このあたりは鹿もかなりいて、鳥獣被害も深刻だとか。


木育コーナー。

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50cm四方の木のタイル「ユカハリ」。

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お手軽にフローリングができるわけですが、
従来よりあったじゅうたんタイプのウッドカーペットをタイル状にしたものですね。
より柔軟なレイアウトに対応できるわけで、柔軟な発想が柔軟なスタイルを生む。


体育館には巨大な木組みが。

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住宅の骨組みと木の遊具。


広い空間を利用して家一軒分の骨組みを展示しちゃうところがスゴイ。

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木のカウンターキッチンもなかなか良い雰囲気。

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体育館の前面壁。

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こういう立体的な表現のテクスチャもなかなか良いなあ。
こういうのも活かせていけたら。


トイレの洗面所。

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木のアクセントを入れるだけでも良い雰囲気になる。


あわくら温泉駅の目の前にある二棟のモデルハウス。

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森林組合の事業所。

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見事な木質の建物なんだけど、ちょっと「隙」がない気がします。
例えば森の学校のトイレみたいな。
洗面台も含めてトータルリニューアルしちゃうと、木の魅力が活きない気がします。
あえて古ぼけた洗面台とかけ合わせることで木が良く見える。


森林組合の木材集荷場の近くには、ユカハリや割り箸の加工場があります。

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木の伐採から加工・販売までの一連の流れを地域で一貫して行なう。
地域ぐるみで行なう六次産業ですね。

モノを扱うにはエネルギーが要る。
膨大な量のエネルギーが。
それは個人レベルで扱えるシロモノではない。
それゆえどうしても大きなスケールでの組織体が必要となる。
しかし組織が大きくなると、最初の志とでもいうべき大事なものが見えなくなってしまう。
スピードや効率が求められるようになり、
できないことがあると安易に第三者に依存するようになる。
そして工夫の面白さを忘れてゆく。
そこにモノづくりへのジレンマがある。

世界は広いから面白いのではなく、深いから面白いのだ。
それさえ分かれば狭い世界でも十分人生を満喫できると思うんだけどな。