インゴ・マウラー展のトークシリーズとして、nendoの佐藤オオキさんの
トークイベントに参加してきました。
案内には"nendo(デザイナー)"としか書いてないし、
会場でも「佐藤さん」としか言わなかったし、
以前トップランナーでテレビで見たときと感じが違ってたけど、
たぶん「佐藤オオキ」さんで間違いないと思いますw
ぱっと見yugopや小林よしのりさんに似ていると思ったのは
僕だけでしょうか...w
最初はnendoの最近の仕事のポートフォリオを紹介し、
そのあとデザイン・ジャーナリストの紫牟田伸子さんとの対談を
しながら参加者からの質問(事前に紙に記入)に答える、という形で
進み、およそ1時間半程度のものでした。
しかしやっぱこの人スゴイ。
でも才能とか行動力を別にすると、
考え方とか、信念とか、基本スタンスとかいうものが少なからず
自分と共通するものがあったのがウレシカッタ。
デザインをする理由。
デザインで目指すもの。
デザインのあるべき姿。
など。
ますますデザイン分野に携わってみたくなりました。
以下詳細レポート。
1.ポートフォリオの紹介
ガンダム・ストライプ、ガンダム・ベアが面白かった。
今年のミラノ・サローネに出展。
複数枚の偏光板を重ね具合で模様が変化するネストテーブル。
同じく今年のミラノ・サローネに出展したもの。
形状記憶合金を使って電球のON-OFFの温度差によって
華が開いたり閉じたりするオブジェ。
リプトンの来航100周年記念イベント「Alice's Tea Party」の空間デザイン。
現在新宿OZONE6Fギャラリーにて開催中。
7/18(火)まで。(※すでに終了しています)
・Docomo N702is
ドコモの最新携帯をデザイン。
「水」をモチーフにしたデザイン。
加速度センサーを使用して水が動くさまをいろいろと表現。
しかし筐体デザインダサい。
大方技術側の制約で筐体デザインはnendo側では自由にできなかったんだろうな。
2.対談&質問
最初に文中の佐藤オオキさんの発言はあくまで僕の耳で聞いて、
僕なりに解釈して意訳しているもので正確に彼の発言を描写している
ものではないことをご承知ください。
nendoはプロダクトデザインから、空間デザイン、キャラクターデザインなど
実にさまざまな分野のデザインを行なっています。
佐藤オオキさん自身、「一番やりたい分野」というものはとくにないとか。
あえていうならホテルや旅行などの宿泊施設をやってみたいそうです。
そこには「もの」や「住」、「料理」などあらゆる要素が存在していて
トータル的にデザインできるからとか。
この辺がいかにも自分と似ているなと思いました。
よく人にこれからデザインをやるんだ、というと、
「具体的にどういう分野を目指してるの?」とよく聞かれるのですが、
答えに窮してしまいます。僕もすべてをやりたいと思うから。
プロダクトデザインも面白そうだし、建築デザインも、空間デザインも、
面白そう。それは「もの」ではなく、「人」にこだわっているからだと思う。
「過去の作品にはあまりこだわりません。
毎回リセットします。
人や状況によって求められるものは違うからです。」
「デザインは自分の主観だけではダメだと思います。
自分の主観が含まれる、ということは大切ですけど」
人が交わるところにデザインがあると思う。
デザインとはさまざまコミュニケーションの形を提供し、
その質を向上させるためのものだと思うのです。
仕事を選ぶ基準は「オモシロイかどうか」。
そして「デザインの必要性を理解してくれるクライアントかどうか」。
デザインは快適性を提供するものだと思います。
そしてそれをデザインを依頼するクライアントが理解してくれていないと
いいデザインはできないと思います。
「一人でいるのはさびしいけど、一人遊び(空想?)はよくします」
「休日はすべての動作をゆっくりにして身体を休日モードにする」
「テレビは大好き。ドラマは前後のストーリーなど気にせず楽しめる」
「いろんなノイズのある東京が好き。
でもこの間田舎に土地を衝動買いしました。」
これらの話をきいていて、
ああ、この人は本当に物事を楽しむことの達人なんだなあと思いました。
そしてそこがnendoの原点なんだなあと。
自分が楽しめなければ相手を楽しませることなんてできない。
そのほか気になるメモ。
・スケッチは苦手。
これも共感しました。僕も絵は苦手なので。
でもプレゼンで使っていたイラストはシンプルだけど
愛情が感じられるものでした。
絵が描けるに越したことはないのだろうけど少なくともいいデザイナに
なるための絶対条件ではないんだなと思ってある意味安心しました。
・模型はそんなに作らない。
手塚貴晴+手塚由比さんとは正反対です。
「コンセプトは乏しいスケッチでもちゃんと理解できるほど
明確なものでなければならないから」だそうですが、この辺は
佐藤可士和さんの、
「デザインはある程度頭の中で固まってから形にする、
形にしてしまうとそれにとらわれるから」
というのに似ている気がしました。
・好きなデザイン、デザイナー
吉岡徳仁さんのデザインが好きとか。
・甘いもの好き、スイーツ大好き
nendoには酒飲みがあまりいないそうです。