引き算のデザイン

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modelbox_close.jpg


新しいセッションがはじまり、さっそく模型を作ることになりました。

前回は3世帯住宅とけっこう大きめの家だったのですが、
今回は格段にスケールアップしてさらに大きな模型になりそう。

しかし前のセッションの模型がまだ教室に置いてあって、
教室は相変わらず狭い。


でかい上に繊細。
模型は取扱が面倒です。


...というわけで模型運搬用のボックスを無印で買ってきました。


スチレンボードでボックスを作ろうかと思ったけど、
手間の割にはコストもかかってしまうし、
かといって大切な模型をダンボールなんかに入れて運びたくないし。

さんざん迷ってやっぱり買うことに。

modelbox_open.jpg


自分のデザインの傾向を考えるとき、
最近よく頭に浮かべるイメージとして、
「足し算のデザイン」「引き算のデザイン」というものがあります。


僕は完全に「引き算のデザイン」タイプ。
まずいくつかポンポンとキー要素が浮かびます。
そして要らないものをさっ引いて本当に必要なものだけを残していきます。

一方「足し算のデザイン」はその逆。
キー要素をどんどん付け足していくタイプ。

この他に究極のタイプとして「掛け算のデザイン」というのがあります。
各要素を掛け合わせて一気に飛躍するタイプ。
いわゆる天才肌。

まあこのタイプは自分にはまるっきしあてはまらないし、
周囲にもめったにいない(いても参考にならない^^;)ので、
ここではちょっと横に置いといて。


いまのSCの同級生を見てみると、圧倒的に「足し算のデザイン」タイプが多い。
まあ美大生ってそういうものかもしれません。

最初にポンポンとキー要素が浮かぶので、
最初のアイデア出しのときは比較的早い段階でアイデアが出て、
「足し算のデザインタイプ」には羨ましがられたりするのですが、
もともと「引き算」を前提にしたタイプだから
新しいものを生みだすことはそれほど得意じゃなく、
キー要素といってもたいしたものじゃないことが多い。
どちらかといえばすでにあるものを整理整頓していくことが得意なのです。

元エンジニア、というバックボーンもあるかもしれない。
エンジニアは論理的思考が必要だから。
(もっともエンジニアにも感覚的思考が必要だと最近は思っているけど^^;)


引き算タイプから見て足し算タイプが羨ましいなあ、と思う部分は、
渾沌の中でも前進できること。
それは机の上を見れば一目瞭然。
なんであんなに散らかしたままで作業が進むのだろう。
引き算タイプは常に現状が整理できていないと前に進めません。


「足し算のデザイン」「引き算のデザイン」のどちらが良いか、
ということを論じる必要はない。
その人に合ったやり方を選択すれば良いのだから。


「引き算のデザイン」では余分なものを引ききれず、
「足し算のデザイン」では必要なものを足しきれない。
それぞれのタイプが抱える問題も対称的。


1/100スケールのスタディ模型も全部詰め込んで、なんとか家へ持ち帰りました。

これで準備万端。

...今回はきっちり引ききるぞ。