21_21 DESIGN SIGHT:
U-Tsu-Wa-うつわ― ルーシー・リィー、ジェニファー・リー、エルンスト・ガンペール
行きたい行きたいと思いつつ、気がつけばもう会期も終了間近。
...というわけで雨にも関わらず急いで21_21へ行ってきました。
日曜美術館や美の巨人などでルーシー・リィーが特集されてるのを見て、
彼女を知り、彼女の作品に惹かれました。
西洋的なのにどこか和に繋がる精神がそこにあるような気がする。
それほど陶器にこだわりがあるわけではないのだけど、
楽焼を知ってから少しずつ陶器に興味を持つようになってきました。
「うつわ」はその機能上必ずその外殻の内に空間が存在する。
そこには無用の用の境地が在り、内なる宇宙が存在する。
空間を内包するもの、という点で建築へと通ずる魅力が「うつわ」にはあると思う。
企画のディレクションは生前ルーシー・リィーと親交のあった三宅一生氏、
会場構成は21_21の設計者である安藤忠雄氏。
会場はガンペールは石庭、ルーシーとジェニファーは水辺に浮かぶ器、
というイメージで構成されてました。
それぞれとても雰囲気が出ていて良かったのですが、
佐藤卓氏の「water」展や吉岡徳仁氏の「Second Nature」展に比べると、
今一歩のような気が...
まあ、この2つがずば抜けて良かったのだけど。
知名度で言えばルーシー・リィーが一番なんだろうけど、
エルンスト・ガンペールやジェニファー・リィーも予想以上に素晴らしかった。
ガンペールは樹木をろくろで極限まで薄く削り、
中から明かりをあてると外側にその光がうっすら漏れて映るのがとても幻想的。
ちょうど障子から柔らかい明かりが漏れてくるみたいで。
ジェニファー・リィーの陶器は、ルーシー・リィーの多彩さに比べると
地味な感じがするけれど、手作りとは思えない端正なフォルムと、
地味だけど地味故に日本の侘びへと通ずる「渋さ」というものが出ていて、
より一層深みを増し、より日本的のように感じました。
ルーシー・リィーはなんといっても色の鮮やかさが魅力。
シンプルな造形に、シンプルな色彩。
鮮やかな黄色の皿には思わず目を奪われてしまいました。
戦時中に生きる糧を得るために作ったという陶器のボタンも意外と良かった。
小宇宙がそこには潜んでいた。
想像以上に素晴らしくて、作品数はこれまでになく少なめだったにも関わらず、
二時間近く会場に居てしまいました。
図録は通常よりちょっと高めだったけど購入。
(出典:21_21オフィシャルサイト)
帰りにミッドタウンの無印良品に寄ったら、本展とのコラボか、
白い器の一群が展示されてました。
これまたキレイで良い光景だったので思わずパシャリ。
意外とお手頃価格だったの思わず買いたくなったけど
図録を買ってしまったのでここは我慢。
すでに無印の白どんぶり茶碗も持ってるし。
課題へのモチベーション、ヒントが得たくて行ったのだけど、
こちらはなかなか。
次回の山中俊治氏ディレクションの「骨」も楽しみだなあ。
なんてったって「構造」の象徴だもの。