瀬戸内国際芸術祭2013。
初日の小豆島から高松を経由して、念願の直島へ。
なんといってもこの瀬戸芸の元祖。
メジャーになりすぎて今やアートのメッカになりつつあります。
外国人の観光客もこの島はひときわ多い。
しかし、かつて巨大企業に勤めていた身としては思うわけです。
規模が大きくなりすぎると、目が行き届かなくなり、見失ってしまうものも出てくる。
それを看過していると、いずれはとりかえしのつかない衰退に向かってしまう。
...というのは考えすぎだろうか。
ひと言でいえば、人多すぎ、待ち時間多すぎ。
都会で行列をなすのとなんら変りない。
平日でさえこうなのだから、休日はもっとひどい込みようだと思われます。
まあ、もうじき会期を終える時期だからこれが当然の状況なのかもしれないけど。
人が多く来ればそれだけ潤うのかもしれないけど、
それだけ地域は疲弊もしていくのではないでしょうか。
芸術は心に余裕をもって向き合うもの。
直島が芸術の聖地として長らえるには、混雑に対する何らかの対策が必要だと思う。
でなければ商業主義の波にのみこまれていずれは消えていってしまう気がしてなりません。
すばらしい場所だけに心配はつのります。
宮浦港。草間彌生の赤かぼちゃが迎えてくれます。
SANAAによる巨大なインフォメーションセンター。
まずは地中美術館へ。
インフォメーションセンターで整理券を受け取り、待ち時間の間に近くの李禹煥美術館へ。
柱の広場。
広場の中の石は作品だから触ってはいけないそうです。
ちなみに広場の外のこの石には触ってもいいそうです。
この二つの違いってなんなんだろ。
巨大なコンクリートの壁で作られた通路を通って中へ。
巨費を投じて作られる思索の場所。
人間の傲慢さを感じる一方で、人間にはこういう場所が必要だとも思う。
うーん、複雑な気分。
いよいよ地中美術館の中へ。
中は撮影禁止。唯一撮影できるのは海岸へ突き出たカフェ。
オーシャンビューがすばらしい。
内部は撮影禁止なので、Pinterestから画像を拾ってきました。
いずれも画像のような二次元媒体では伝えることのできない、
現場の空間を体験することでしか感じることのできない感覚があることが、
作品の魅力ではないでしょうか。
ただ、その素晴らしい空間も行列をなして待たされることでうんざりさせられてしまう。
せっかくの空間の魅力も半減。
地中美術館を出て、本村地区へ。
ANDO MUSEUM。
建築家・安藤忠雄の業績を展示するミュージアム。
斜めに建てられたコンクリの柱の部屋がインパクトあったなあ。
長くいると気分が悪くなってしまうけど。
家プロジェクト。
ジェームズ・タレル「南寺」。
家プロジェクトの中ではこれが一番のお気に入り。
人間の感覚の環境への適応力を巧みに利用しているのがスゴイ。
そのそばのトイレ。
直線的な南寺との対比がオモシロイ。
宮島達男「角屋」。
窓にシールのように貼られたデジタルカウンターがすごい不思議だった。
どんな原理で動くんだろう...
杉本博司「護王神社」。
一見ただの神社なのですが...
中央にはガラス(アクリル?)の階段。
この階段が地下まで降りてきて...
地下の演出もステキ。
千住博「石橋」。
正直あまり印象に残ってない...
大竹伸朗「はいしゃ」。
廃屋風の建物に入れられた自由の女神像がすごいインパクトだった。
芸術の街だけに役場も独創的。
1日直島を堪能して、高松へ。
見事な夕日。